どうせキャラメルとかが出てくるに一票

 おじいさんの言うことにゃ。


 このあたりを牛耳る、「マキアート」という名の、オシャレを気取った集団が突然、街に火を放ち始めたらしい。


「奴らがどうしてそんな事をするのか、全くわからんのじゃよ……。」


「目的がわからないんじゃ、どうしようもないわ……」

 スカーチョが困ったように言った。


「その集団の、アジトみたいな所は無いの? じいさん」

 俺が聞くと、


「ここから北に行った、山に、基地みたいなのを作っていると、噂を聞いたことがある。ただ、やっばり、くわしいことはわからんのじゃ……」


「わかった! オイラが行ってくる!」

 そう言って駆け出そうとするオイラの腕が、ぐいっと掴まれた。勢いでニョイボールを握ってしまい、ボールは楕円になった。


「ちょんと! どこに行くつもりよ!」

 スカーチョだ。


「決まってるだろ? そいつらのアジトだよ!」

「一人でいくつもり? 無謀よ! 多勢に無勢だわ!」

「そんなの、行ってみれば分かるさ!」


 オイラは、スカーチョの制止を振り切って、出かけた。


 殴り込みだ!


 分かんないものは、直接聞けばいいじゃないか。


 とってもシンブルだろ?

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