出会い

 あちー!


 自宅でオイラが暑がっていると、突然、むちむちの少女がやってきた。


「ねえねえ、そこのやせ形の少年。オレゴンキューブ! 知らない?」


 やたら露出の多い女子だ。俺の家の中に入り、キョロキョロしている。


「オレゴンキューブ? なんだそりゃ。オイラ知らねーぞ?」


 女子は四角い手のひらサイズの機械をふところから取り出して確認しながら、オイラの質問に答えた。


「集めると、オレゴン州が空に現れて、なんでも望みをかなえてくれるのよ。この辺にあるはずなんだけどなあ……」


 オレゴン州が現れる?


「なんだそりゃ?」


 オイラが色々と驚いていると、その少女の目がキランと光った。


「あった!」

「あっ! ドロボー!」


 少女は、棚の上に置いてあった、婆ちゃんの形見の1ピース、ルービックキューブの1つのピースくらいのものをサッと掴み、脱兎の如く逃走した。

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