木管
1. フルート 寺田結衣
トロンボーンは金管楽器の中でも比較的単純な構造をしている。
ロータリーが1つで細管の、テナーバスと呼ばれるタイプが一般的だ。
ロータリーがないテナー、ロータリーが1つか2つで太管のバスと呼ばれるタイプのを使う人もいる。
トロンボーンの魅力は、何と言っても前に長く突き出たスライドだろう。音程を変えるのに不可欠で、逆にテナーで演奏中に音の高さを変えられるのはそこの動きだけと言っても過言ではない。
木管の私たちからは見えにくい位置にいるけど、「見える」楽器の動きだけを考えれば最前列にいてもおかしくない存在、それがトロンボーンだ。
さて、トロンボーンの「見えない」魅力、それは和音の美しさだ。
コンクールの課題曲、特にマーチの譜面を見ると、中低音がメロディを吹く(C)(D)あたりの直前では、トロンボーンの3パートがそれぞれ違う音を伸ばして、コーラスのような動きをしていることが多い。
同じ音域で、奏者によっては持ち替えで吹くこともあるユーフォニアムが、まるで木管のような裏メロディで動き回っているのとは違う。あの差はどこから来るのか。
スライドは一般的に反応が遅くなるから、とも思うけど、同じ課題曲の中でも後半ではトロンボーン・ユーフォは同じ動きをしていたりする。謎だ。
もう1つ魅力を挙げるとすれば、音の軽さだ。
舞台の奥から音が抜けてくるのは確かだけど、嫌味な音の抜け方じゃない。むしろ音楽に華を添える役割で、例えば課題曲のマーチの場合、イントロを中心に、トランペットと一緒にファンファーレのような細かい動きをしていたりする。
中低音でメロディを吹くときも、低音パートだけだと重くなりがちなメロディの印象を変える。低音パートの人も「またトロンボーンと一緒のメロディか」と言っていたりはするけど、本当は頼っているのだ。
そんなトロンボーンとは、たまに同じ動きをしていたりする。
ただ、それをセクション練で合わせようと思っても、C管だけのパート練に時間がかかるので、なかなか部活中に時間を取れず、結果として合奏後の帰るまでの間になってしまう、というのが現状だ。
それでC管パートは閉鎖的だ、とかよく言われるけど、そのつもりはない。ただ、楽器がちょっと繊細で、特にダブルリードは扱いに手間がかかる、それだけなのだ。
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「トロンボーンは明るさの固まり。音量だけじゃなくて音のきれいさ、どこのパートにも負けません。
ソロも和音もどんとこい。2部の劇メンもお楽しみに」
by. C管パートリーダー Fl 寺田結衣
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