第14話 お食事会

ギルドにつくと満面の笑みを浮かべたシスカが出迎えてくれた。ちょっとかわいいと思ったことはリズには内緒だ。


「お、おかえりなさい!ゼンさん!」

「あ、ああ。ただいま。」

なんだろうかちょっと、ちょっとだけドキッと来たぞ。

その後、リーフドラゴンの討伐証明部位だけギルドに納品して、クエスト達成の報酬、50万ゴールドをもらった。小金持ちになったな。

「ではゼンさん!その…今はまだ夕方ですが、これからどうなさいますか?お帰りに?」

「んー、いや、今日はご飯食べて帰って寝ようかなぁ。」

俺がそういったとたんシスカは急にもじもじしだした。

「あ、あの!今日一緒にどうですか?」

手をクイッとしながらシスカがこっちを見ている。ご飯食べよーってことかな?どうしたんだ急に!

「どうしたんだ、急に?」

「い、いえ!だ、ためですか?」

断れるわけねぇー。

「べ、別にいいが…。」

一応リズにも聞いてみようかな。ちなみにリズはさっきからここが落ち着くと言って俺の足にしがみついたまま離れない。下の方に目を向けて、

「おーい、リズ。リズはシスカとご飯行きたい----って寝てる!?」

リズは足にしがみついたまま寝ていた。凄い腕力だ。

「寝てるのかよ…じゃあシスカ、行こうか。」

「…え、いいんですか?リズさん寝てますし帰ったほうがいいんじゃ…。」

と言いつつも、シスカは明らかに残念そうな顔してるし、リズは多分食べるところについたら、多分起きると思う。

「大丈夫だよ。じゃあ、そこでまってるよ。」

そう言って俺達はギルドの中にあるベンチに向かった。(一名寝ているが)

それと、周りの冒険者たちから、シスカにあんな感情あったのか、とか、あれは本物のシスカか、とか聞こえてきたが、一応無視しとく。

この待っている間がひまなので、リズの容姿の説明でもしておこうと思う。

リズの髪の毛は白色で、ロングだ。胸というものは存在していない。頭の上にはかわいいけもみみがついている。目はクリッとしていて俗に言う美少女と言うやつだ。こんならぶりーな子に好かれた俺は運がいいのかもしれない。

「お待たせしましたゼンさん!どこに行きましょうか!」

10分後、私服姿のシスカが出てきた。ギルドの制服とは違って、大人っぽくも清楚な感じだ。黒髪ロングってところが清楚感を出しているのかも。

「んー、この辺のことはあんまり知らないから、シスカいいとこ知らないか?」

「えっと…では、ミスニークというステーキハウスはいかがですか?お酒もお肉もとっても美味しいんです!」

肉か、いいな!酒は飲めないんだけど。

「よし、決まりだな!」

俺達はミスニークに行くことにした。ちなみにリズはまだ眠っている。


---ミスニーク到着

「さぁ着きましたよゼンさん!入っていきましょう!」

やけにテンションの高いシスカが扉を開けて、席の方へと歩いていく。

「ゼンさんは何にしますか?」

「んー、あんまりわからないから、シスカと同じものにするよ。」

「わかりました!すみませーん。」

シスカが店員を呼ぶ。ちなみにリズはというと、一回起きたものの、俺の胴体部分に移動してきて、そこに抱きついてまた寝た。なんてらぶりー極まりない生き物なのだろうか。そのリズの行動を見てシスカはほっぺたを少し膨らませていたが、なぜだろうか。不思議だ。

「はい!ご注文お伺いします!」

そう言ってやってきた店員にシスカはアックスコロバのステーキを二つと、キーンの瓶を一つ頼んだ。キーンはこの世界のビールらしい。

頼んでから一分。料理はやってきた。早っという言葉が出てしまったのはしょうがないことだと思う。

料理は400グラムはあるだろう肉と数枚のキャベツのような葉が鉄板に乗せられてやってきた。

シスカが酒を勧めてきたが、飲めないので断っておいた。残念そうな顔をしながら、シスカは自分のコップに酒を注いで、そして、飲み干した。途端、シスカの顔に赤みが差してトロンとした目になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る