第7話 クエスト案件
俺がそう問いただすと彼女はどこかとぼけた顔をした。
どうやら俺に心を許していたことはすぐにわかった。
けれど、それはあくまでも君の考えであって、俺の考えではない。
というか、何故今までそれを聞いてこないとばかり思っていたのだろうか。
「それはですね…あはは…聞いちゃいます?」
「ああ、返答次第では君をどうにかしなければならないからね。」
彼女と共に逃げているときは気にしなかっが冷静に考えてみると俺は悪いことをしたのだろう。
というよりも、もしかしなくても俺も彼女の罪を背負うことになるかもしれない。
第一、あんな扱いを受けていた少女だ。
何かあるはずがないわけはない。
「はあ…わたしは何も悪いことはしていません。それに、あなたの方こそ何者何ですか?わたしの味方ですか?それとも、密偵のつもりですか?」っと、彼女は反論とばかりに語尾を強め俺に切り返す。
「神様に導かれたっと、行ったら信じるのか?」っと、俺は決まり文句のように彼女に返して笑った。
「なっ、なんですか!わたし…何かしました?こっ、こっちは真剣なんですよ!」
「第一、恩を受けてしまったからには…しかも、殿方に…あんな格好まで…。
さては、好感度を良くするためにあんな状態になるまで放置とか鬼畜すぎませんか。
いや、そんなことよりも…。」
ごにょごにょ…っと何かしらぶつぶつ言っている。
(というか、さっさと答えて欲しいのですが…。)
「ああ、もうわかった!俺は、転生者だ!」
彼女の返答が待ちきれず俺はそう言い放った。
「てっ、転生者様?」っと、もはやテンプレとも言える
「「外の世界から来た人って、何言ってんだコイツ?」」という大きめのリアクションを彼女はした。
が、ちょっと違っていた。
「転生者、お告げ…炎、祈り、星の出る頃…雷鳴はとどろかぬ。そうですか、やっぱりそうでしたか。もう待ちくたびれましたよ。ふふっ、やっぱりマリアさんは「「神待告人」」ですね。わかりました、私はあなたを信じます。」
「ああ、それは助かる。」っと、言ったはいいものの彼女が口走っていた言葉がどうにも引っかかる。
けれど、彼女は何か合点が着いたのか先ほどよりも冷静にはなっているように思えた。
代わりとばかりに今度は、俺に対する不信感がまた違う方向の熱意に変換されたようだった。
「さて、高月直人さん…わたしは「「粛正革命教団」」いわゆる革新派の教会のものです。そして、国家に協力した民間人…いえ、市民です。あなたが、本当に転生者なのかは存じ上げませんがただ一つわかったことがあります。あなたは、自分のしたい事に素直になれるそんな印象を受けます。そして、何よりわたしを助けてくださったこと。最後に、あなたの姿がマリアさんの貰い受けた預言の人物と酷似していること。今は、それだけ充分です。」
そう言い終えると、彼女は息を吐き。もう一度直人の方を見た。
「戦いましょう、あなたの役目を果たしてください。私たちを…助けてください。」
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