第8話 きみは何者。
…すまない、君は何を言っているんだ?
えっ、ちょっと待てって、やっと話してくれたと思ったら今度は何をすればいいって…。
うん、だめだ。わかんないや。
「あの、イリスさん?今、なんと?」
「共に戦いましょう!っと、何か違いましたか?」
ああ、なんと言うことだろうか。
これ、間違いなく真っ直ぐだ。
イリスは眼をもうそれはそれはまばゆいばかりにキラキラっと、輝かせていた。
確信に満ちた、そういう目をしていた。
「いや、あの俺はその…あの何でしたっけ?
「「神待告人(コンタクフェッション)」」?ですか?」
「はい、そうですね。コンタクフェッションでおけです!」
「それが、俺に関係あるの?」
「大有り、ですよ!何を言っているのですか?」
「いや、あはは。」
なんか照れ臭くなってきたので笑ってしまった。
ダメだ、全然わからない。
「まあ、混乱するのも無理はないですよね。わかりました、教えてあげます。つまり、あなたは私たちにとって重要な人物かもしれません。
だから、私はあなたと共に戦わなければいけません!困っている人がいる。飢えている人がいる。殺すべき人がいる。そして、人を助けたいと願う人がいる。それを助けるのがあなたの運命なのです!って、トール様に言わなかったですか?」
「へっ、いや…そんなこと一言も。」
「なっ、それじゃあ?我が雷に導かれし者よ、汝力を欲するか?ならば、我が力を授け世界を討ち滅ぼすとせず!なんて、言われなかったですか?」
「いやいやいや…。」
そんな、カッコいいこと何一つ言わなかったぞ。
アイテムくれたけど…。
「っと、とりあえず今日はこの辺にして休まないか?もう暗くなってきたというか真っ暗だし、それに、その…疲れたし、ね?」
「はい、そうですね。でも、野宿ですか。気が進みませんね。」
っと、イリスは年相応の女の子と同じ感想を述べた。
まあ、焼かれそうになる前に何かあったとは思うけどとりあえずそこは触らない方が良さそうだと思う。
「ちょっと、待ってて…。」
そうして、俺は右人差し指で左手を撫でた。
瞬間、世界は止まった。
俺を残して。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます