第4話 最初の街は遠いもの。

「さて、5キロメートルって言ってたけな。」


できれば地図が貰いたかった。

さすがに、こんなにたくさん物資を貰った上で頼むのもあれだとは思うところはある。

まあ、この場所にとどまっていれば明日の朝、トールから何かしらの物は貰えるから下手に動かなくてもいいのだが…。


「…恐ろしく、暇だ。


というか一人で話しているのがものすごくつらい。」


そして、俺は、この転生開始点(リスポーン地点)を後にすることに決めた。


「…服装だけは変えといた方がいいよな。」


いや、まあ…その…別に着替える必要はないのだが・・・なるべく不審に思われたくないしな。


「とりあえず…鎧は着ないとして…。


とりあえずこの黒いコートを着てっと、武器は…短刀(ナイフ)でいいや。


刀とか、銃器とか扱えないし。


…そういった能力技巧(スキル)くらい、欲しいって言っといた方が良かったかな。


まあ、服は貰った金を使うとして…どうやってストレージからお金を出すんだ?


百円って、言ったら100円分出てくるのか…まさか。」


すると、手に変な感触がしたので確認してみると…。


「…?」


何故か手の中には、お札が一枚あった。


「…アメリカかよ!」っと、不覚にも突っ込んでしまった。


「いや、確かにピンキリだけどさあ…たいていこういうのって金貨とかが、通常なのでは?


うん、まあ…そりゃあ持ち歩くのには便利だけど…気分の問題が。


って、言っても誰もいないし…ゲームの世界…か。」


まあ、いいや…ここから始めよう。

一度死んだ身だし、それに、親もいない!

俺の人生はここからだ!


…っと、思ったものだが最初の町まで遠い。

とりあえず、水分補給とカロリーブロックを食べながらただ道を歩く。

そして、道を歩く人の姿も見えない。

まあ、基本ゲームの世界の住人は町を行動範囲としてそれ以外の場所にはあまり移動しない。

というよりも、閉鎖環境にあるため外部からの情報が入ってこないというのもある。

セオリーからすれば、まず情報収集をするのが大切だ。

そして、それは最初の街でも同じことが言える。

・・・ほら、あるじゃん::村とか、::峠とかのヤバい場所。

だから、本来、都市など治安がしっかりした所を拠点とするのが最善である。


けど、どうやらそれは杞憂のようだった。

ここから目的の町が見えるが周囲は壁で囲まれている。


「…なんかこう…テンション上がって来たな!」


っと、この時思った。

しかし、最初に入った町が外れになったのをこの時俺はまだ知らなかった。








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