第10話 親友

「私にも写真見せてよ!見たい!」


「これ…」


「藍は空の写真が多いのね!空ってどれも同じだけど、こうやって見ると微妙に違うんだね〜」


「この世に同じものなんてないからね」


「名言みたい!今度私にカメラ教えてよ!」


「いいよ。私なんかでよければ。」


「楽しみだな〜」


こういう時、私は社交辞令だろうな、とすぐに疑っていたけど、美波は違う。


ちゃんと感じたことをそのまま言葉にしてくれている。


何故かそう聞こえる。


人と関わることは、こんなにも良いものだと、高校生になって思い知らされるとは想像もしていなかった。


「今日の写真は決まったの?」


「まだ。何にしようかな。」


「なら、一緒に写真撮ろうよ!瑠依くんに藍の親友ですって紹介してよ〜」


「え…」


「え?違うの〜?」


「親友って思っていいの?」


「てっきり私は既に思ってくれていると思っていたんだけどな〜」


「あ、ありがとう!」


「ほらほら早く撮らなきゃ、お昼の時間終わっちゃうよ〜」


「うん。」


『ハイッ、チーズ!』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る