第7話 変化
瑠依と関わって私には沢山の変化があった。
まずは'友達'が出来たこと。
自分から話しかけるなんて絶対に出来ないし、況してや話しかけられるなんてことも今まで無かった。
そんな私に1人の女の子が話しかけてくれた。
彼女は突然に
「ねぇ、あいちゃんだよね?」
「え?」
思わず聞き返してしまった。
クラスで初めて話しかけられたから、思わず目をぱちくりさせてしまった。
「え?名前違った??」
「ううん。藍で合ってるよ。えーっと…」
「私は美波。よろしくね!今更ってなると思うけど。」
「こちらこそよろしく。何か私に用事が…?」
「用事なんてないよ。」
「え、じゃあ何…?」
彼女はどうして私に話しかけてきたのだろうか。
「話してみたかったから。藍ちゃん最近変わったよね。」
話したいと言われるなんて初めてかもしれない。
それに、初めて話した相手を変わったと聞くのはどういう事だろう。
「藍でいいよ。特に何も変わってないと思うけど…」
「私も美波でいいよ。ううん、変わったよ。藍っていつも本読んでるでしょ?本を読んでるいる時に、誰も近寄せたくないように見えてたよ。」
「え…」
確かに私はいつも本を読んでいて周りに関わろとしていなかった。
だけどそんなオーラを出しているつもりなんてなかったはずだけど…
「あれ?見えてたってことは、過去形?」
「うん。本当は、もっと前から話してみたかったんだけど、そういうことがあって、中々話しかけられなかったんだよね。」
「ご、ごめん…」
一応謝る私。
悪い事をしたという訳ではないけど、折角私なんかに話しかけようとしてくれる子にそう思わせていたなんて。
「謝らないで!こうやって話しかけることが出来たんだから結果オーライだよ!」
「ありがとう」
「これからは沢山話しかけるから!」
「わ、分かった。」
相変わらず上手く返事ができない。
だけど、積極的な子とは関わりたくなかったはずなのに、今では自然に話せている。
いつからか、関わりたくないという思いは消え、話しかけられるのを待っているようになっていた。
これは瑠依に出逢ったからそう思えるようになったのだろうか。
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