第5話 ただの会話

「藍は学校でどんな事をしてるの?」


「普通に勉強。」


「勉強する事ぐらい僕だって知ってるよ」


そりゃそうだ。学校というのはそういうものだから。


「僕が知りたいのは、勉強以外でしてる事とか、楽しい事だよ。」


「いつも本を読んでるの。」


「どんな本?」


「……と、色々と考えさせられる本だよ。」


思わず夢中になって沢山話してしまった。


ハッと横を見ると、瑠依がニヤニヤしている。


「な、何。」


「やっと、沢山話してくれた。」


「今のはつい。」


「'つい'でもいいんだ。君の事を一つ知れたから。」


こういう事を言われて少し嬉しくなった私は変だろうか。


「な、なら、瑠依もなにか話してよ。」


「お!僕に興味持ってくれたのか〜。何話そうかな〜」


瑠依はどうしてこんなにも喜んでいるのだろうか。


ただ話してくれと言っただけなのに。

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