第五話:初めてのクエスト

 僕とナナシノの格好は目立つ。

 アビコルはファンタジーだ。純異世界ファンタジーではないが、召喚士は大体それっぽい格好をしている。僕達の格好は凄いおかしいというわけではないが、道を歩いていると目を引くくらいに似つかわしくない。


 服屋で世界観にあった頑丈そうな服とブーツを一式購入する。着ていた服は何故か高く売れたので、黒字だ。

 ナナシノは着ていたのが学校のブレザーであり、売るのに少しだけ躊躇いがあったようだが僕にこれ以上世話になるのもどうかと思ったらしく、結局売り払っていた。

 灰色のシンプルな洋服は地味で色気なんてものはなかったが、その辺りはお金が溜まったら考えればいいだろう。


 もともと召喚士コーラーは軽装な者が多い。アイリスの単騎兵を足元に連れたナナシノはまぁ見た目だけならば立派な召喚士だった。黒目黒髪も珍しくはないので挙動不審が解ければこの世界に溶け込めるだろう。


 少なくとも、のっぺりとした意味わからない影を頭に乗せている僕よりは召喚士っぽい。


「お待たせしました……」


 ナナシノが僕の眼の前に来ると、くるりと回転して見せた。丈の長いスカートに灰色の外套。腰には小さなポシェットをつけ、アクセサリーなどはつけていなかったが粗雑な格好でもよく似合っていた。


 僕は小さく頷き、さっさと踵を返した。


「じゃーギルドに向かおうか……」


§


 結局ナナシノは当初の目標を、アイリスの単騎兵の進化にしたらしい。よほど会話を交わしたいのだろう。

 その目標は地獄なのだが、僕は何も言わずに黙って頷いてやった。情報くらいは教えてあげてもいいが、それを手伝うのに僕が何かをするつもりは一切ないので好きにすればいい。


 軌道に乗るまでは手伝ってあげられても、完全に彼女の面倒を見るのは僕には無理である。自分の事すら疎かになりそうなんだから。


 【古都プロフォンデゥム】は今日も賑わっている。

 現代並に整備された道路を幻獣の牽引する馬車や西洋風の鎧を装備した男たちが歩く姿は違和感がひどいが、時間が経てばきっと慣れるだろう。

 予想通り、僕達の姿も景色内に溶け込んでいるらしく、こちらを注視する視線などは感じなかった。


 召喚士ギルドの建物は明るくなってから改めて見ても、左右の魔導師ギルドと剣士ギルドの建物が大きいせいで寂れている印象があった。

 余り記憶に残っていないが、クエストの中では魔導師ギルドや剣士ギルドとの確執を描いたものもあったはずだ。強大な相手にしておけばクエストを作る上で好都合だったのだろう。


 ナナシノは居心地悪そうに左右を見ていたが、僕が扉を開けると大人しく後ろについてきた。


 一歩足を踏み入れた瞬間に視線を感じた。

 召喚士コーラーというのは数が少ないという。ならば、昨日一蹴した連中の仲間がいてもおかしくはない。


 だが、僕は奴らに興味がない。こちらに手を出してきたから倒しただけで、確かについでにサイレントに財布を掠め取らせたりしたがそれは迷惑料みたいなものだ。

 なによりも名前もないモブNPCにどうして興味を抱けようか。


 サイレントが頭の上から肩の上に移ってくる。僕は声を出さずに唇だけ動かして指示を出した。


 僕は平和に魔導石を貯めたいだけで誰かに敵対するつもりもない。

 さすがに殺しはNGだ。こちらからの攻撃もよくない。冥種は悪魔族と呼ばれる事もあり、倫理観に乏しいことが予想される。ちゃんと指示を出しておかねばならないだろう。


 受付に座っていたのは昨日と同じ強面の職員だった。夜にも担当していたのに朝にもいるのか……アビコルのゲーム内ではギルドの職員は可愛らしい猫耳のNPCだったはずだが、世も末である。

 強面の職員さんは僕の顔を見るとしっかりと眉を顰めた。まるでクレイマーでも見つけたかのような表情だ。


依頼クエストを受けたいんだけど」


「ブロガー。その前に当ギルドから連絡がある。……昨晩の件だ」


 ギルドマスターからの連絡……もしかしたら時間差でクエスト達成報酬がもらえるのだろうか?


「報酬でもくれるの?」


 期待を込めて尋ねると、職員さんは馬鹿でも見るような眼で僕を見た。

 そして、咎めるような口調で言う。


「……事情が事情だから特に処罰はない。が、余りおおっぴらな所で戦闘をするな。ギルドには一般市民だって来るんだ」


 ……何だ、報酬じゃないのか。期待して損した。まぁ、多少金銭がドロップしたということで、納得する事にしよう。

 ため息をつき、職員さんに答える。


「わかったよ。で、依頼を受けたいんだけど」


「ちょ、ちょっと待ってください」


 そこで、今まで後ろで大人しくしていたナナシノが震える声を上げた。僕の前に一歩出ると、強面の職員さんの顔を見て一瞬怯み、しかし震える手でばんとカウンターを叩く。


「な、ブロガーさんは、私を助けようとして――」


「いや、別に助けようとしてないけど?」


 クエストだと思ったから、そして勝てると思ったから戦っただけだ。別にナナシノだからどうとかそういうわけではない。

 問い詰めようとしたナナシノはあっけにとられたように言葉を止め、僕を凝視する。


「あっちが攻撃をしかけてきたから反撃しただけだし、最初だったから消失ロストもさせてない。僕に非は一切ない」


「……正当防衛とはいえ、眷属を殺していれば大きな問題になっていた」


 僕の言葉に、しぶしぶといった様子で職員さんが続ける。


「奴らは問題児だった。だが、人が集まれば問題もまた発生する。なまじ実力があるせいでどうにもならない。今回の件はいい薬だっただろう」


 いい薬。その言い方に被害者であるナナシノが唇を噛む。

 だが僕はナナシノが何か言い出す前に高く声を上げた。


 ギルドのゴタゴタなんてどうでもいいし、問題児についてもどうでもいい。進化もしていない眷属を連れていた連中が実力者呼ばわりな件についてもどうでもいい。


 僕は依頼クエストを受けたいのだ。


 そのためならば被害にあったことなど水に流すし、こちらに注意が来たことに文句を言うつもりもない。


「ナナシノ、僕は全く気にしてないから」


 どうにもならなくなったらならなくなったでその時に考えればいいのだ。幾つもの事を同時にできる程僕は器用ではないのだから。

 とりあえず僕は魔導石を貯めて、できれば次の眷属召喚アビス・コールをしたいのだ。召喚できないアビコルに何の価値があろうか。育成できない育成ゲーなんて育成ゲーではない!


「で、でも――むみゅッ……」


 それでも抗議の声を上げようとしたナナシノの口を手で塞ぐ。目を丸くする職員さんに笑顔を作って尋ねた。


「で、依頼を受けたいんだけど? 戦いのない、町中でもできる簡単な奴がいいかな」



§



 ギルドで受けられる依頼クエストには大きく分けると三つの種類がある。


 一つ目は納品クエスト。

 特定のアイテムを入手し、それをギルドに納品する事で達成される。場所の指定はなく、アイテムの入手手段は問わないが、大抵は魔物を倒してドロップしたアイテムを納品する事になる。


 二つ目は討伐クエスト。特定の場所で特定の魔物を指定された数討伐する。


 そして、三つ目は雑用クエスト。僕が初めに受けるクエストとして選んだのは三つ目の雑用クエストだった。


 雑用クエストは上二つとは異なり、一定時間を消費する事でクリアになるクエストだ。報酬は少ないが戦闘は発生せず、リスクなしで受けられるのが大きなメリットだった。

 ゲームだった頃は、雑用クエストを受けるとステータスが労働中になり、クエスト完了までキャラを動かす事ができなくなる。まぁ、社会人などの日中まともにプレイ出来ない人への救済措置だったのだろう。


 あまり人気がないクエストらしく、受付のおっさんに変な表情したが無事受領できた。

 意気揚々と外に出ると、憮然とした表情でナナシノが話しかけてくる。


「な、どうして止めたんですか!?」


「僕は平和主義なんだよ」


 争いは少なければ少ない程いい。例えこちらが汚名を被ったとしても、僕は無駄なエネルギーを使いたくないのだ。


 きっとナナシノの機嫌が悪いのもお腹が減っているからとかだろう。


 サンドイッチの屋台が出ていたのでそこでサンドイッチを二人分購入する。

 昨日、モブNPCからこっそりドロップした財布から千ルフ札を取り出し、サンドイッチとお釣りを受け取った。受け取ったばかりのサンドイッチの袋をナナシノに渡す。


 残りの一人前はあげてもいないのにサイレントが奪い取っていった。


「あ、ありがとうございます」


「別に」


 僕のお金じゃないしね。

 財布の中を軽く確認する。得体の知れないカードに紙幣が数枚。貧乏人だが、宿はそんなに高くなかったのでこれだけでも何泊かできるだろう。


 カードは真っ赤に塗られた金属性のカードだ。獣のような意匠が施され、文字の類は書かれていない。アイテムとしても見覚えはなかったが、会員カードなどではないだろう。僕はちょっと考え、カードをナナシノに気づかれないように投げ捨てた。身元がわかるようなカード持ってちゃダメだぜ。


 一昨日に夜道でドロップしたものと合わせれば、しばらくの間は率先してお金を稼ぐ必要はないという事だ。


 サイレントは序盤に使う上では敵なしの眷属だが、魔導石の一個も持たずに戦闘を行うのは危険である。

 いや、危険と言うよりは……落ち着かない。


 たまごサンドに懐柔されたのか、ナナシノが若干落ち着いた様子で聞いてきた。


「でも……良かったんですか? 倉庫の掃除の依頼なんて……」


「掃除、嫌い?」


「え……や、いや、そんな事は……ないですが……」


 言いづらそうにナナシノが目を伏せる。

 まぁ、言いたいことはわかる。ナナシノは余りゲームに詳しくないと言っていたが、倉庫掃除が召喚士コーラーに余りふさわしくない依頼であることはわかるのだろう。


「僕は掃除とか嫌いだなぁ。余りしてなかったし」


 だから、逆に掃除しなくていいように余り汚さないようにしていた。


「え……じゃあなんで……」


「掃除するの、僕じゃなくてサイレントだし」


「っ!?」


 頭の上に寝そべっていたサイレントがびくりと痙攣した。


 僕が掃除の依頼を受けた理由は単純である。誰も依頼を受けたがらずに依頼人が困っていたからとか、そんな殊勝な理由ではもちろんない。


 特定のアイテムを手に入れて納品する採取クエストや特定の魔物を討伐する討伐クエストもあったし、そちらは報酬でもらえる金額も高かったが、今の状況で危険なクエストはやるべきではないのだ。


 レア度15の眷属ならば序盤の依頼では負ける可能性は皆無に等しいが油断してはいけない。アビコルではちょっとした気の緩みが取り返しのつかない事態を巻き起こしたりする。例えば、序盤の依頼で突然、本来出てこない強力な魔物が現れたりするので油断はできないのだ。

 

 倉庫掃除ならばいきなり強い魔物が現れてサイレントがやられたりしない。


「で、でも。サイレントさんって……強いんですよね?」


「そうだぞ! 主、我は掃除をするために召喚されたわけではない!」


 バカコンビがギャーギャー喚く。

 が、ナナシノについては行動を強制しているわけではないし、サイレントは僕の眷属だ。その言葉、考慮するに値しない。


 そもそも、どんなゲームでもクエストは簡単なものからやるのが王道である。

 何事もコツコツ積み重ねる事に勝るものはない。僕はとりあえず『送還デポート』してサイレントを黙らせた。


 歩くこと数十分。

 たどり着いたのは巨大な倉庫だった。軽く見積もってコーラーギルドと同じくらいの大きさはある。一人で掃除するのならばどれだけの時間かかるのかわからない。誰も依頼を受けたがらないわけだ。


「まさか……本当に来てくれるとは……」


 依頼人である初老の男性は随分と長い間依頼を出していたらしく、依頼を受けた僕に喜びというよりも戸惑いを感じているようだった。


「魔導師の方じゃないと難しいと思いますが……」


 確かに魔法でもないとこの大きさの倉庫を短時間で綺麗にするのは難しいだろう。ナナシノもその予想外の大きさに圧倒されているように見える。

 だが、僕は自信満々に答えた。


「ご安心ください。うちのサイレントに不可能はありません」


 サイレントが聞いたらどんな口を挟んでいたか……依頼人と会う前に送還しておいてよかった。


 掃除道具を受け取り、倉庫の扉を開く。

 中は暗くひどく埃っぽかった。乱雑に置かれた木箱の上には埃がつもり、長い間開いていないように見える。もしかしたら鼠なども出るかもしれない。

 どうやら今は使っていない建物らしく、中にあるものもガラクタだけらしい。もしも万が一ほしいものなどがあったら確認して問題なければくれるとの事。


 ナナシノが恐る恐る僕の後ろから顔を覗かせ、倉庫の様子に頬を引きつらせた。


「あの……ブロガーさん。実は私、余り掃除したことが……家ではお手伝いさんがやっていたので」


「まー見よう見まねでやってみたら」


 お手伝いさんとかいいとこのお嬢さんかよ。

 だが、何もやらないとか、さすがに足手まとい過ぎる。


 僕は掃除には参加しないけど、眷属であるサイレントがするのだ。ナナシノも自分が掃除したくなければアイリスの単騎兵にやらせるべきだろう。


 僕はさっさと倉庫の外に出て、『送還デポート』していたサイレントを『召喚コール』で呼び戻した。


 現れるや否や、サイレントが足にじゃれついてくる。


「あ、主、いきなり送還デポートするなんて、我を一体何だと思ってるのだ!?」


「じゃー後はよろしく。最後にチェックするからサボるなよ。それ、掃除用具ね」


「説明すらないッ!?」


 サイレントは変幻自在の身体を持っている。召喚されたての状態でも掃除くらいは簡単にできると思う。


 僕の言葉に、サイレントは掃除用具に視線を向けると、嫌そうに言った。


「あるじぃ、私これでも実は――『一単語の系譜ザ・ワード』なんだけどぉ?」


「もちろん、知ってるけど?」


 『一単語の系譜ザ・ワード


 アビス・コーリングの眷属の中で『一単語ワン・ワード』の名が付いている眷属の総称である。第十六次大型アップデートで実装された眷属のシリーズだ。

 『静寂』の名を持つサイレントもその内の一体だが、最低レア度は15であり、特に有用な能力を持つ眷属が多いため、攻略サイトにもそれらの眷属の内の一体を手に入れるまでリセマラすることが推奨されていた。


 ちなみにアビコルプレイヤーの中では運用チームも名前をつけるの面倒くさかったのだろうというのが見解である。増やすの簡単だしね。


 凍りついたサイレントの頭をぐりぐり手で撫でて説得する。


「後でなんか美味しい物買ってあげるから」


「……い、致し方あるまい、な」


 ショックを受けたような口調でサイレントが了承する。


 まさか僕がサイレントの事を知らずに無碍に扱っていると思っていたのか? ならばなめられたものだ。

 僕はすべてを承知の上、サイレントを雑用に使っているのだ。


 サイレントが大人しく腕を伸ばして掃除道具を取ったのを確認する。

 どうやらナナシノは眷属に任せる事を良しとしなかったらしい。箒を持つナナシノと、雑巾を手に取るアイリスの単騎兵の姿はどう見ても召喚士とその眷属には見えない。


 僕は鼻で笑い、倉庫の近くの喫茶店で休憩することにした。


§


 サイレントが僕を呼びに来たのは一時間程たった後だった。

 小さな猫程の大きさの影が、カフェテラスで紅茶を飲みながら買ったばかりのノートを広げていた僕の足にじゃれつき、子供みたいな声をあげる。


「ああああああ、あるじぃ、ずるいいいいいいいい!」


「名前、サイレントなんだからちょっとは静かにしようよ」


 会計をする僕の足にサイレントが縋り付いてくる。

 僕はそれを自分も紅茶を飲みたいという要求だと判断し、まだグラスに半分くらい残っていたアイスティーを振りかけた。


 何でできているのかもわからない漆黒の身体が雫をまるで真綿のように吸い込む。

 だばだばと紅茶を振りかけられたサイレントはしばらく沈黙し、ぽつりと呟いた。


「……主はもっと我を慈しむべきだと思う」


「眷属にそんなこと言われるのは初めてだ」


 サイレントに引っ張られるように倉庫に向かう。ホコリまみれだった倉庫は見違えるように綺麗になっていた。。

 埃はすべてどこともなく消え、床はピカピカに磨かれている。その片隅で、箒を投げ出したナナシノがへたり込んでいる。

 どうやら一応頑張ろうとしたようで、買ったばかりの旅人のローブがホコリまみれになっていた。

 僕を見つけると恨みがましげな眼で見上げてくる。


 サイレントがぴょんと木箱の一つにジャンプすると自信満々に胸を張った。


「どうだ、主。我が力を見たか!」


 ……そうだな。


 僕は無言で木箱に人差し指を当て、つーっとこすった。

 微かに黒くなった指を見せつける。


「もっかい初めからやり直し」


「!?」


 僕はなんでもきっちりやる性格である。

 こちらはクエスト報酬という形で報酬をもらっているのだ、手を抜くことは許されない。


 確かに広大な倉庫をたった一時間でここまで掃除するのは凄いと思うけど……。


「そ、そんなぁ……ちゃんとここまで綺麗にしたのに」


「もう一回初めからやり直せばもっと綺麗になるだろ」


 足元に縋り付いてくるサイレントを蹴っ飛ばし、僕は倉庫の最終チェックを行う事にした。

 薄暗い倉庫内を歩く。一時間前とは異なり、埃っぽさは余り感じない。

 やはり、伸縮自在で腕を複数本作れるサイレントには掃除というクエストがあっていたのだろう。


 そして、しばらく歩いているとふと床に何かが光るのを見つけた。


 虹色に輝く小さな石。アビス・コーリングの要。魔導石だ。


 それは、僕が倉庫掃除のクエストを受けた大きな理由の一つだった。


 アビコルでは課金を除けば魔導石を手に入れる方法は限られる。

 クエストやダンジョンのクリアボーナスはその中の一つだ。

 アビコルでは初回に限り、クエストやダンジョンをクリアした時、魔導石が一つ手に入るのだ。


 労力に対して微々たる数だが、ログインボーナスが配られずに絶望していた僕には朗報である。

 一個とは言え、石を持っているとやはり安心感が違う。


 いつの間にか近くに来ていたナナシノが瞬きして僕に聞いてきた。


「あれ? そんなの落ちてましたっけ? さっき箒で掃いた時には見つからなかったですが……」


「クエスト報酬がクエスト中に見つかるわけないだろ」


「???」


 理解できないのか、首を傾げるナナシノアオバ。

 詳しい説明はせず、僕は準備しておいた袋に丁寧な手つきで魔導石をしまった。


 しかし、ナナシノの分の魔導石はないんだな……依頼を受注したのが僕だからだろうか。

 まぁ、別にいいけどね。どうせ眷属と二人合わせてもサイレントの半分も働けてないだろうし。

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