第5話脱走

やばいばいやばいやばいやばいやばばばい。俺の祝福チートすぎて頭おかしい。

とりあえず深呼吸しよう。

「すーっ、はーっ。」


いやいやいや、全然落ちつかねぇわ。修学旅行で大金待たされてるぐらいのフワフワ感があるわ!


「おい、ほんとどうした勉。修学旅行で街中を歩いてた時と同じ顔してるぞ?」

「とりあえず、放っておこう。まだ自分の中で整理ができてないんだと思うよ。落ち着いてから話してくれればいいから勉。」


翼の優しさで心が痛い。違うんだ、祝福が弱すぎて困ってるんじゃないんだ、強すぎて困ってんだよ。俺って実はかなりの小心者だからさ、ほんとこーゆーチートやめてよね。誰かに狙われたらどうすんだよ!まぁこいつらにならチートのこと話してもいっか。


「なぁ、俺の祝福のことなんだけどさ。あー、説明するより見てもらった方が早いな。俺に鑑定して見てくれよ。」


二人は不思議そうな顔をしながら俺に鑑定をした。



名前 田中 勉

種族 人間

職業

レベル 1


HP 100/100


MP 100/100


攻撃 100

防御 100

素早さ 100

器用さ 100

魔法 100


祝福

学習 忍耐 天使 言語理解 必中 再生 分身 心理 回避 筋肉 樹木 水性 雷電 幸運 疾走 復活 記憶 変身

スキル

鑑定LV1 隠蔽LV1


「「ふぁっ?!」」


「おま、これどーゆーこと。むぐっ!」

「あほっ!あんま騒ぐな!周りに知られたくない。」広樹の口を押さえた。

「これはやばいね、僕たちの存在意義なくなっちゃうじゃん。ってかもう一人で魔王倒しに行けば?」笑いながらいってるがこいつ絶対本気で言ってる。


「無理に決まってんだろ!!俺なんかたぶん魔王の鼻息だけで死んじまうわ。」

「死んだら復活すればいいじゃん。道中でいいことし続ければ、幸運が君を守ってくれるし、雷電と必中があれば誰にも負けないんじゃないの?」やはり笑いながら言ってるが目がまじだ。ってか死んだら復活できるじゃんってこいつとんでもねぇかといってんぞ。おまわりさーん助けてー友達が怖いよー。


ってかハゲが静かだな。どしたんだろ?不思議に思い広樹を見てみると、白目をむいていた。あ、ごめんそういえばずっと押さえつけてたね。


「っておーーーい!!死ぬなー!俺とのあの約束はどうなるんだよ!おい、おきろこのはげ!」全力でビンタをしてみるがそれでも起きる気配がしない。いい奴だったな、こいつの屍を超えて俺は先に行く。それが俺にできる唯一の弔いだからな。


「いや、広樹死んでないから。まだバリバリ生存中だから。なんですでに諦めちゃってんだよ!とりあえず天使の効果で回復させるか。」天使の羽を出しながら回復させる翼。


なんかこいつ金髪ピアスのくせに天使似合ってんな。その包容力に惚れそうだわ。


「ふんっ!!」


「おいどうした!急に自分のこと殴り出して」そういって俺の頬を治療しようとするが、俺は「来るなぁ!俺に優しくさんじゃねぇ!俺は、俺は女の子が好きなんダァァァァァア!!!!」そう言って蹲る俺。


「いや、ほんとどうしたんだよ。情緒不安定でおかしくなったか?」やばい、いつにもなく翼が優しい翼の優しさに胸が、トゥンクトゥンクなんてしたりしない!あぶねぇほんとにこいつは危ないやつだ。


そんなことは置いといてだ。そろそろ旅に出たい。通常の異世界ファンタジーなら、もうすでに旅に出てもおかしくない話数じゃないか?俺はなにやってんだよ。いつものテンションでだべってる場合じゃない。ってか、俺の一人語りが多すぎんだよ。


よし思い立ったが吉日だ!「翼!!旅に出よう。」


「はぁ?まぁ、僕も出たいけどさなんか方法でもあんの?しかもこの世界の常識とかどうすんの?かろうじて言葉はわかるけどお金はどうすんのさ。」次々と正論を述べる翼。


「なんとかなるだろ。俺のチートがあれば」


〜数時間後〜

「はぁ、まさか王様との直談判で金貨20枚もぎ取って、そのまま出てくるなんてどうなってんだよ。」


「俺のチートに驚きが隠せないようだな翼。実は俺もだ。なんか心理使えば、王様をいともたやすく誘導できたわ。」ほんとどうなってんだろこのチート。


「ん?ここはどこだ?あれ、なんで俺は勉にお姫様抱っこされてるわけ?」


「やっと起きたか、あー持つの疲れた。」


ドスン!「いってぇな!おま、下ろすならもっとこう優しくしろよ!そっと、すっと置けよ!!」


注文の多いやつだ。ここまで、俺が持ってやったんだぞ。まぁ筋肉とかいうチートで増強はしたから、全然疲れてはないし、気絶させたの俺だけどな。


「とりあえずさ!冒険者ギルド、行こうぜ!!!」

「とりあえずじゃねぇんだよ、謝れよ!まぁ、でも冒険者ギルドと聞いちゃしょうがねぇわな。」

「あぁ、そうだね。冒険者ギルドと聞いたらしょうがないね。」


何を隠そう王との直談判の際、冒険者という職業はあるのか聞いてみると、各地に存在するということを聞き、胸を躍らせていたのだ!そりゃ、冒険と言われて胸を躍らせない奴はいないだろ!


「っしゃあ!ってことで行くぞ!」

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