第二章

第14話 第二章 1








***




アナベル=リリィ。今日はむらさきを教えてあげよう。……そう。そうだね。『王の紫』のことだよ。


紫は血で染めるんだ。


ふふ。驚いた顔をしているね。でも違うよ。その血だけど、その血じゃない。

別に赤い血で布を染めるわけではないんだ。


「血筋」と言ったらお前には難しいかな。紫の染物師そめものしの母親は、必ず紫の染物師なんだ。そう言う決まりなんだ。


……そう? わかる? お前は本当に聡明だね。

賢い、と言う意味だよ。

お前はお母さまに似て賢いね。そして、優しい子だね。

それも血筋。

血によって受け継ぐものなんだ。


……どうしてかって? それは僕にもわからない。でもそう言うものなんだ。


だからね、アナベル。覚えておいで。紫の染物師はいつの世も


-王の特別……

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