【第一章】
第2話 第一章 1-1
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空は突きぬけるように高い。
視界いっぱいの青空の中に数羽のウミネコが
秋風は強くも無く弱くも無く、ちょうど良い具合で、この季節特有のおかしな形の薄い雲は海鳥たちよりも遥か上空に浮かんでいる。彼らの飛行を
シンルが少しやかましいくらいだと思っていると、すぐ隣に自分と同じように横たわっていた幼馴染が、その兄に呼ばれた。
「ディータ。流されてるぞ」
シンルとディータは上体を起こした。その
「おい、早く
船尾に座る兄から、弟に向けて再び声が飛ぶ。振り返らずにディータは言った。
「人にばかり命令するな。
「沖に出るまでは俺が
まだぶつぶつと不平を言うディータの代わりに
日に焼けた
「シンルはいい。休んどけ。これからが大仕事なんだから」
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