最終話  コンガリな日々

黒羽ショウコ、お前を連れ戻す。


確かにマサヨシはそう言った。

私を鳥かごに再び閉じ込めるために舞い戻ってきたのか、私のあえに。


「冗談じゃない、あんな場所は二度とごめんだ」

「そうだよな、オレだってそうさ。でもやらなきゃオレがまた閉じ込められるんでな」

「じゃあ力づく、だな」

「そうなるな」


そうやすやすとヤられる訳にはいかない。

先手必勝、こちらの持つ全力で相手を屠ってやる。


「くらえ! 強襲龍虎猛爪撃!」

「やるな、だがそのわあざ名。変な名前してんな。クロワッサン関係あるか?」

「グハッt!!」


な、なんてビビドな攻撃だ。

気を抜くと意識を失いそうになる。

まさかここまで実力に違いがあったなんて。


「ショウコ、しっかりしなさい。ギャラクシアン・パトリオッチ・クレイジースター!」

「クソッt!新手か?」

「杏……?」

「情けないわね、そんな醜態さらして私のライバルを気取る気?」

「私は一度だってライバルを自称しなかった」

「黙りなさい! 行くわよ」

「パトリオットって言いたかった? そこ良くかむの?」

「グハァァ!」

「杏!」



くそ、なんて隙の無さだ。

二人掛かりでも意に解さないだなんて。

じつりょkが、違いすぎる!



「黒羽さん、白銀さmん、今は休戦よ」

「そうよ、共闘しましょう」

「しょう」


3女はセリフそんだけか。

それならしゃべらなくてもいいんじゃないか?

私たちは5人で円を描くように並び、マサヨシを包囲した。

これで、有利になっただろうか。


「怖いねえ、一人相手に女の子とはいえ5人でくるの?」

「よううねえ、そんな態度で居られるのも今のうちよ。みんな行くわよ!」

「ええ!」

「食らいなさい! ギャラクシアンホワイト強襲・トライパトリオット龍爪・猛虎リゾットクレイジースター!!」

「な、その技は、うわぁぁああーー……」



た、倒したのか?

ピクリとも動かないな。

あ、いまちょっと動いた。

ともかく、撃退成功だ!


「やったわ、マサヨシをぶっ倒しましたあ!」

「強かった、途轍もなくな」

「さぁ、邪魔者が片付いたところで、ショウコ! 血統よ! 今日こそどっちが強いかハッキリさせましょう」

「待ちなさい、校内での私闘は禁止されているわ」

「さっきまでマサヨシとやりあってたが?」

「これは指導、あなたたちのは私闘。そうでしょう?」



結局私は日暮れまで殴り合いをするはめになった。

いつになったら落ち着いた、普通の高校生活が送れるのだろうか?


ここは私立コンガリナ高校。

地味かもしれないが、飽きることのない一風変わった高校だ。

中学生のお子さんが居る方は、ぜひここへの進学をお勧めする。

刺激の多い、変化に富んだ毎日が送れることを、わた氏が約束しよう。



ー完ー

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