頭の中に自然が残っていますか

 昔の子に比べて、今の子はきれやすいという話をよく聞きます。

ある説によると、今の小学六年生と昔の小学二年生とが「自己抑制力」においてほぼ同じなのだそうです。

なぜなのか。「カルシウムが足りない」とか「甘やかされて育ったから」とかいろいろ説はあるけれど、一番大きな原因は、子どもが家事の手伝いをしなくなったことにあるといいます。

 昔は朝起きて寒ければ、ストーブにマッチで火をおこすところからやらなくてはいけませんでした。今はエアコンのスイッチをポンと入れればそれで済みます。

便利な生活を追求し過ぎて、「忍耐する」ということが生活から消えてしまったというわけです。

 子どもに我慢することを覚えさせるには、畑仕事をさせるのが一番だそ うです。

自然を相手にするにはボタンひとつでというわけにはいきません。どうしたって忍耐することを学ぶことになります。

 ある学者がいじめられっ子を分析して、こんなことを言っています。

「いじめられっ子は昔もいた。しかし昔のいじめられっ子に比べて、今のいじめられっ子はすぐ自殺してしまう傾向がある。なぜだろう?」と。

 昔の子は脳内に自然が(田や山や川などが)ゆとりを作ってくれていて、逃げこむ場所があったんですね。

 今の子は自然を離れてしまったので、頭の中が人間関係だけに埋め尽くされて、逃げ込む場所がどこにもなくなってしまっている というわけです。

 子どもに限らず、大人もたまには、自然の中でぼーっとすることも必要なんですねぇ。梅の花も咲 き始めました。ぶらりと自然の中を散策してみませんか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る