第4話

 私と笹原くんは、一緒に帰った日から少し距離ができた。おそらく、一緒に帰ったことになんらかの気恥ずかしさを覚えたからだと思う。


 せっかく笹原くんが教えてくれると言った社会もテストでは散々な点数を取り、やっぱりちゃんと教えて貰えばよかったと後悔している時だった。

 次の模試に向けて塾で物理の勉強をしていた。

「なんで、こんなこと発見するのかね。」

 と、独り言を呟きながら問題を解いていると目の前に笹原くんがきた。

「この前はごめん。なんか、気まずくしたね。社会もあのまま教えられなかったし。この問題教えようか?物理だけど。」

 私は、笹原くんよりも物理のテストの点数は良い。だから、意地でも教えられるのは嫌だった。

「ううん。大丈夫。もう少し粘ってみるよ。」

「そう。頑張れ。それ、やり方わかると簡単だから。」

 そう言い残して私の元を去った。


 私たちは、進級した。笹原くんとはクラスが離れてしまった。少し寂しいと思ったが、私をいじる人がいなくなったことに少し安心もした。そして、新しいクラスには私の好きな西原くんがいた。告白する前は、クラスが違っても毎日話す仲だったけれど私の告白で気まずくなったんだと思う。


 こうして、私の高校2年生が始まった。


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