第4話 神を欺く
「神様、今の俺をもう一回見せてください。」
神は長い沈黙を裂いた一言にすこし驚きながらも、
「もちろんじゃ ほれ」
さっきと同じ場所に円のスクリーンが現れる。モザイク必須な情景。数時間前に見たものと同じ映像だ。
「やっぱおどろおどろしいな俺、ところで神様、前見たのと映像が変わってないんだけど」
「死んだ瞬間に時間を止めておるものでな、こうやって思い悩む時間を与えておる、というわけじゃ。」
「なるほど、ところで死んだ人間は蘇生できないんですよね。」
「前も言った通り、それはできない相談じゃ。」
「それは規定で制限されているんですよね。」
「そうじゃ。規定の詳しい内容は答えられんがね。」
・・・・
「そういえば今日は雨が降ってましたね。」
「世間話か、たまにはいいじゃろう・・・・夏はな~夕立が多くてたまらんじゃろう」
「最近は部活帰りによく降られて困るんすよね~大会近いからいつも遅くまで残らないといけないし。今日なんか雷鳴ってましたよ。気づいてました?」
「そうじゃったな、何回も空が光っておったわい。へそが取られそうじゃったな はは。」
神様の陽気で気の抜けた面を見つめながら、俺は言い放つ。
「神様、スワンプマンのパラドックスってご存じですか?」
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