第3話君の一部をください

「なんであの時走って逃げろ!なんて言ったのよ!」


逸れてから私達は、揉めていた。あの時逃げよう!!なんて言わなきゃ逸れる事なんてなかったって


「過ぎた事を攻めても仕方ないじゃん」


「だったら今解決できんの!?」


「揉めてても解決はしないでしょ」


「揉めなくても解決しないでしょ!」


言い合いを続ける私達は青ざめたまま指差して震えてる友達には気づいてなかった。そして彼女はいきなり走り出した。


「いやぁーーー!!!!!!!」


私は反射的に追いかけた。彼女を1人にしてはいけないと思ったから…彼女は足が遅かったので早く追いつき腕を掴んだ


「待って!1人行動はやめよ!」


「だ、だって…あの人が…あの人が!!」


彼女の声と同時に耳元で囁き声が聴こえた。


「「君の一部をく…ださ…い」」


「って言うから…逃げなきゃって!」


私は彼女の声など聞こえて居なかった。確かに耳元で聞こえた囁き声。恐る恐る振り向く…でもそこには誰も居なかった。


「どうしたの?」


彼女が声をかけてきた…前を向いて足元の無数の手に気づいた私は声が出なかった。彼女の手をとりそこから走り出す


「ちょ、ちょっと!そっち危ないよ!」


「いいから、行くよ!」


とりあえず坂を降っていく。何度も足を掴まれた気がした。欲しいなぁ欲しいなぁという声も聞こえた気がした。友達の手を引いて降り終えるとそこには、逸れた筈の皆が居た。ただ一人を除いて…そして駅の明かりが見えた。


「良かった!2人出てこないかと思ったよ」


「ほんとそれ!心配させないでよ!」


皆が安堵しきってる中、私は色々気になっていた。


「ねぇ、1人足りないよね?」


「え?何言ってるの?」


「だって前のグループ6人だったでしょ?全員で14人だったのに今13人しか居ないよ?」


「え、いや私達元々5人グループだったけど」


「そ、そんな…でも右手で携帯のライト使ってたし、皆にも話しかけてた


「ねぇ、それって…黒髪ショートカットの女の子?」


青ざめてた彼女が私の顔を見て言う。


「そうだけど…」


「彼女ずっと気になってたんだけど、私には右手が見えなかった。むしろ…無かったように見えたの。……それに、まるで誘導してるようだった……。途中から見えなくなったけど…」


全員怖がって森から一歩さがる、その時後ろグループの男子が私と彼女の脚を指差し


「なんだよ、その跡…脚大丈夫かよ」


私と彼女の脚にはまるで転ぶように仕向けたような足首を握られた跡が残っていた。そして、腕を掴まれた娘にも手跡が残っていた。怖くなって私達は、駅えと走り家へまっすぐ帰った



第4話終わりなき跡





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