第2話忘れられない現象

前のグループの携帯ライトが消えた。

「わっ、ね!なんかライト消えたけど!」


「待って、つかないよ?」


「え、ちょ、誰私の頭触ったの?」


前のグループは大慌てだった。私達もそれを見て焦りだす。


「これわざとじゃないよね、どう考えても…」


私達は携帯のライトを前のグループへかざす、すると前のグループの携帯ライトがついた。その時後ろで女の子の悲鳴が聞こえた。


「いやぁーーー!!腕引っ張んないでよ!!」


「ちょっ、おま、何演技してんだよ!」


「冗談今やる所じゃないだろっ」


私は携帯ライトを後ろへ向ける。すると女の子は


「た、助かったぁ…」


と一息ついていた。前後ろのグループが怖いめにあっているのに、私達には何も起きない事に恐怖心を抱いていた。


「あの、皆で駅に向かいませんか?固まってた方が安心ですよね?」


「空けてた間を縮めようぜ。お互い見えてた方がいいだろ」


「そうですね。そうしましょう。」


そうして少しずつ駅へと進んでいると、友達が私に声をかけてきた


「あのさずっと気になってるんだけど…、横見てたらね木の柵みたいなのと鎖が何ヶ所かあるの。あれなんだと思う?」


「え?あ…ホントだ。なんだろう…」


「あ!見て!あそこに明かりがついて………る。」


戸惑った声に私は指差された方向を見た。それは、ぼんやりとだが確実に認識できるものだった。明かりの下…そこは墓地だった。墓地の近くに来る前に、さっきの事が起きて警告だったのかもしれないと私は思った。


前のグループも後ろのグループも距離が近くだったから、もちろん私達の声は聞こえていて全員足早になった。


急いでいたのもあり脚がもつれ転んだ。立ち上がろうとするも、足首を痛めたようでなかなか立ち上がれなかった…

そんな私に友達は手を差し伸べてくれ、手をとった。


その時前のグループから叫び声が聞こえた


「やだ!誰!また頭叩いたの!」


「待って腕引っ張んないでよ!」


全員が確実に焦っていた。友達の一人は顔が青ざめている。その子は私達にこう叫んだ


「逃げよう!!ここにいちゃダメだ!!駅まで走ろう!!」


その言葉に私達は背中を押されたかのように、最寄り駅まで森の中を走った。携帯のライトを使う事を忘れていたから前は友達しか見えてなかった。


顔が青ざめていた友達は更に青ざめた…


「待って…前のグループは?」


「え?」


まさか抜かした?と思い振り返ってみたら、私達のグループしか居なかったのだ。


第3話君の一部をくださいへ続く




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