愛すること

 「愛」と言われて誰の顔を思い浮かべるだろう。息子の顔、友達の顔、恋人の顔。なにを思い浮かべるかは人それぞれだと思う。でも、愛って種類があると思う。僕は自分の大切なものだと考える対象と、恋愛という対象の二つに大きく分かれるように考える。

 ここで恋愛について言いたいことがある。恋愛とは、周りの人に影響されて生じるものであるということ。つまりきっと今頭に浮かんでいる人は君が「普通の人」に近づくために利用された人だ。

 みんなが誰かを愛している。自分もだれかを愛さなければ。恋愛経験がないと情けない、結婚していないとなにかと困ることが多い…。僕たちはどんどん焦らされて、相手を自分の大切なものだと錯覚している。本当は愛の形は一つに留まるはずなんだ。でもそれをあえて二つに分けたのは、実際は大切ではないものを、自分にとって大切なものなんだと錯覚している場合があるからだ。

合コンはその代表的な例だ。結婚の概念を僕たちは勘違いしている。お互いが自然にかかわる中で愛し合う関係が生まれる、つまりお互いがお互いを大切だと思えるようになったとき結婚をする。でも合コンはどうだろう。結婚がしたいからその相手を探している。因果関係が逆なのだ。

 人は愛さなくても生きていける。でも愛されなければ生きていけない。だからひとは自ら人を愛し、自分に報いが来るようにしている。すると自然に愛することが本質的なものとかけ離れ、「建前としての愛」となってしまった。他人の幸せが自分の幸せ。人助けが自分のためだと思えれば、もっと人を愛することができるはずだ。

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