準じて走り出す焦燥


私の常識では判断できない

環境と再三言い諦める素振りを

しながら、私の脳はこの混沌

とした現実を無理やりにでも

判断しようとした。


その結論として出した

答えは、いや、結論と言うほど

確実なものでもなく、

凡そ信じ難い話だが、

恐らく、

もしやすれば、、、


私は、

この施設の人間は


前の施設の実験で

【不要になったもの達の収容所】

なのかもしれない。


そうだとすれば、

仮にそうだとするならば、


私は一体何をしたと

言うのだろう。



幼少に勉学を怠ったわけでも

ない。



お国のために戦争にも出向き、

社会人として定年までを捧げた。



生物としては孫の顔を拝むまで

役割を果たした。



秀でてはなくとも、

決して怠った人生では

なかったはずだ。



なぜこんな目にあうのか?


なぜこんな事になっているのか?



なぜ、なぜ私なのか……



私は程なくしてここからの

脱走ばかりを考えるように

なった。

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