-第21話-【未来の君へ〜そして事は…〜】

走る、走る、走る…。

「あった!」

【中央制御室】無機質にゴシックで書かれたそのプレートの下には穴が空いていた。否、空けられていた。明らかに何かで爆破したような跡があり、中はメチャクチャになっていた。こりゃ、もう…

「中央制御室確認しました。爆破されています。予備制御室使って下さい。ここは配線とか全部きっときます。送レ」

『こちら司令、了解した。予備制御室を起動します。終ワリ』

そして、装備品のニッパーを使って配線をすべて切る。その直後、警報音が鳴り響いた。よし、起動成功だ。

『予備制御室を起動しました。館内非常設備のみ起動させます。』

その放送の後、クゥーン、という音とともに、再び電気がついた。

『よくやった!』

無線に叫び声が入る。なんだよ、さっきまで行くな行くな言ってたくせに。まあいいや。それよりも…

「小太郎!どこだァ!!!いたら返事しろ!!」

と、その時、視界の隅で影が動いた。敵か?銃を構えると怯えた子供が2人出てきた。その顔には、見覚えがある。

「小太郎!無事か!?」

「うん。大丈夫。」

意外と近くにいてくれて助かったな。

「でも、なんでこんな所にいたんだ?」

「昨日はみんなでここで肝試しをやろうってなって、それで、気づいたら…。」

たしかに、中央制御室の近くは基本電気などは付けていない。絶好の肝試しポイントかも。にしても、なんで今日に…。

「まあいいや。そんなことより、早く地下に行くぞ。ここは危ない。」

そう言って小太郎と、もう1人の…女子!?

「お前ら、2人だけか?」

「他のみんなはもう逃げちゃって、この子が怯えてたから…。」

そうか。そうだったのか。

「よくやった。んじゃ、行くか。と、その前に…。」

無線を取り出して周波数を合わせる。

「こちらDー01分隊高田。児童保護しました。男女各一名ずつです。第35地下通路前で待っててください。送レ」

『こちら連合部隊。よくやった。指定場所で待つ。敵に注意して合流を。終ワリ』

よし。いつ敵が来てもいいように安全装置は外しておこう。カチャ、という音と共に銃を構える。そのまま問題なく目的地に到着する。そこには、他の隊の人がいた。敬礼して、自分は後列につく。児童2人を真ん中に置いて前後に5人ずつ付いて動き始めた。

50mほど行ったところだろうか。


地下に銃声が響き渡った。

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