-第22話-【隊長】
ふと、前を見ると1番前を守っていた隊員が崩れた。
「総員警戒!」
…。どこだ。後ろを向いた、その刹那…
ヒュン、と何かが飛んでくる音がした。次の瞬間
「う…ってぇ。」
ゲホゲホ咳き込んだが、出てきたのは息ではなく、血だった。
「すみません、被弾しました。」
そのまま倒れた。小太郎達は何も出来ずただ呆気に取られていた。ほかの隊員も自分のことも警戒しないといけないので、助けられない。体を見ると、横腹のあたりを被弾していた。これじゃあ、コマと同じじゃねーか。苦笑していると不意に、銃声が再び響いた。また誰かやられたか。そう思って、倒れたやつを見ると、服の色が自分と違う。もっと言えば、銃の種類が違う。まさか…
「
後ろを見ると、自分達が入ってきた扉の所に誰かがスナイパーライフルを構えていた。そのまま、逃げ惑う敵を一発も外さずに仕留めた。この腕の持ち主って言ったら…
「橘隊長!」
「おう!お前ら危ねーなー、本当。」
笑いながら銃を持ってこっちに来る。いや橘さん、あんたもなかなか怖いよ。助かったには助かったんだけどな。
「にしても、凄いですね。一発も外してないじゃないですか!」
「いや、あんなの狭いからどこ撃っても当たるし。」
照れてんのか!?どうした橘隊長。
「そうだ!高田、お前に渡しとくのがある。ちょっとこっち来い。」
それ銃もって言ってるから脅しにしかなってないよね!?仕方なく俺はついていく。
ドアを超えた所で橘隊長は壁に寄り掛かった。
「これ、持っててくんねーか。」
そう言って俺に投げたのは何かのスイッチだった。表面は金属製でスイッチと言えば、『あれ』しか有り得ない。と思った。
「橘隊長、俺に爆破しろと?」
「あー、それ違うから安心しろ。ちょっと持っててくれ。その時になったら言うから。」
限りなく怪しいんですけど!?ただ、この人はそんな嘘をつく人ではないと俺は思っている。だから、本当に別の何かかもしれないな。ただ、なにか危ないような気がする。
「分かりました。隊長は地下に行かないんですか?」
「あー、俺は確認があるからさ。」
「じゃあ、俺も残ります。」
「は!?ダメだ。お前は行け。」
「嫌です。行くんだったらこれ置いてきますよ?」
「あーーー!もう、お前って奴は!」
「で、どうするんです?」
「分かったよ!着いてこい。ただ、命は助からないと思え。それでもいいか?」
「死ぬ覚悟がなかったらここに居ませんよ。」
笑って言った。でも、本当は怖くて俯きたい。でも、この人が何かしようとしてるのくらいは分かる。さっきから様子が変だ。
仲間にはもう一人救出しないとだから残ると伝え、隊長について行った。
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