-第6話-【天使か悪魔か】

その後、学校防衛隊は、全国的な組織になった。しかし、一つだけ問題があった。自衛隊でもない限り、武器を持てないのだ。そこで、橘隊長は、自ら当時の首相に会いに行った。当時の首相は、相当おかしな奴で、日本を守ってくれるのであれば、身寄りのない子供などの集まりが死のうとどうなろうと、どうでもよいと言う狂った奴だった。しかし、橘隊長からすれば、とても運が良かった。首相に、火器や銃の使用許可を求めると、すんなりと受け入れ、議会に通した。その頃、参議院、衆議院の議員の大半が、橘賛成派だった。しかし、一方で子供が武器を持つことに対する不満を持つ議員もややいたが、賛成派によって、すぐに潰された。それほどまで、日本は追い詰められていたのだ。国会は、一瞬にして通過。国民投票になった。しかし、先にも言ったように、大人はほとんどいない。また、残された大人や、高校、大学生たちは、皆橘賛成派だった。保守的な意見はここでも潰され、学防隊は、正式に武器を持てるようになった。橘の思想は、日本を左右させたのだった。そして、晴れて武器を持てるようになったが、武器を手に入れる金がなかった。そこで、橘の出した案は、

1、募金を行う。

2、自衛隊で使わなくなった武器を譲渡してもらう。

の二つだった。募金は、全国で実施し、結構な額が集まった。二つ目の方は、これも橘が行くと、使わなくなった銃で埋め尽くされた部屋に通された。この銃をすべて譲渡してくれ。橘が頼み込み、なんとかすべて譲渡された。募金の金を使って、弾を買い、自衛隊の銃で戦う。全てが上手くいった。

そして、今に至る。

「えー、以上が、我々、学防隊の存在する理由です。」

実はここで、俺は一つ嘘をついた。この法律の、いや、この隊の弱点を。

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