-第4話-【朝】

「ふぁーあ…」

俺は起きた。カーテンを開けると、目の前にはビルが立ち並ぶ東京の街が見下ろせた。

「いやー、五階からの眺めはいーねー!」

そう言った後、

「こーたろー!コマー!おーきろー!」

バサッと音を立てコマと小太郎が同時に起きたので、おかしくなって笑った。

「なんだよー!」

そこも二人同時で笑ってしまった。

俺らは食堂に向かう。食堂にはもう1000人くらいが朝ごはんを食べていた。

「にしても、なんでもかんでもバカでけえんだよ、ここは。」

ぼそっと独り言を呟いて、朝ごはんの和食セットをもらった。全く、なんにも使えない割に、こういう所だけはちゃんとしてくれるんだよなー、日本は。

「あ、コマー!こっちこっちー!」

「お、そこかー!ちょっと待っててー!」

「おう!了解ー!」

二人で席につくとコマが

「あれ?小太郎は?」

あ、そう言えばあいつどこいったんだ。

「まあ、どっかで学校のヤツらと飯食ってんじゃね?」

そう、ここの児童保護施設には東京の小学校から中学校の全生徒がいるのだ。

「だな。んじゃ、俺らも食べるか。」

「いただきまーす!」

朝飯はうまい。んー!和食最高!そんなことを思っていると、

「あ!」

コマ言った。

「え?どうした?」

「いや、今日実弾使うじゃん。一年の前で。そんでさ、一年に防弾チョッキ着せろって言われたの。」

「ふんふん。」

「んでさ、その防弾チョッキを〜…」

「ん?」

「用意し忘れてた!!!」

「えー!?まじか!急いで行って用意すればまだ間に合う!急げぇー!!」

まったく、せっかくの至福の時間が台無しだ。まあ、いいんだけど。

ダッシュで学校に行って、きのうのちかにむかった。地下へ続く道の名前は【学防隊第1移動用通路】と呼ばれていて、どの教室からも来ることが出来るように、教室の後ろに通路に繋がる扉があるが、それは非常時以外ロックされている。そして、移動用通路を進むと、ロッカーとかが置かれた大きな部屋がある。ここは【学防隊第2通常戦闘待機室】と呼ばれている。

その中に、生徒用の防弾チョッキの入ったカートがある。

「あったあった!」

カートの大きさは目分で縦に5m、横に3m高さは1m弱だ。

これを体育館に持ってけばいいんだな。結構でかくね!?とか思いつつ体育館に運んだ。

「いやぁ、朝から一仕事したねぇ!」

「ほんとだよー!」

「紹介は14:00からだよね?」

「うん!」

そして、その14:00になった。

あー、去年のはすごかったんだけどな…今年は大丈夫かな。とか、直前になると不安になった。俺とコマの仕事は、何故学防隊があるのか、あと、何故俺達が戦わなければならないのか。についてだ。

「翼とコマー!」

「あっ、はいー!」

「さてと、もうひと仕事しますか!」

俺とコマはステージに向かって歩き出した。

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