夕
昼間の人狼ゲームが終わった後の私は、しばしの間は午後の授業中でも
取り分け羊子がLINE上の振る舞いに問題が有り、私の
そうして午後の授業も終わり、帰りのホームルームの後でまだ
ただ、ここで事件が起きた。
帰国子女である私が
教室と手洗い場までは多少の
ー手洗いから教室に戻ると、私のスマホと太陽光充電器が無くなってしまっていた。
私も
教室に残っていた数人の生徒に
「そういやさっき、羊子が教室から急いで帰ったばかりだった。何か、笑ってたけど……」
事の
「……朱美さん、待っていたんだ。少しだけ話をする時間は有るかな?」
「呂模さん。何でしょうか? 今は急いで居るので
「話の用件は大きく分けて、三つ有る。
一つ。先ずは昼間の人狼役は、見事だった。
俺は他の奴等と違って授業中にスマホを弄ったりしないから、
「
祝福が嬉しいはずだが、今の私は空腹と苛立ちのピークを
「ゲームの内容について振り返りたいのだが……。朱美さんは人狼、羊子が村人、牛尾が占い師、稲荷がハムスター人間に、俺が騎士。……初夜の占いで朱美さんをツモった牛尾の奴を、良く引っこ抜けたよな?朱美さんは」
「あれは
「牛尾カワイソス……。
その後は羊子のフリーメイソン
「人狼ではないか?と疑われて居る本物の人狼が猫又の騙りをするのは、ごく定石ですからね。唯、猫又や妖狐は普通はあんな
「まあな……。だからあの時俺は朱美さんが騙りを行っているのは
実際にもネットの人狼読本のページにも猫又はちゃんと
「それは
「繰り返しに成るがあれは本当に俺達村人陣営の勝ち筋は稲荷を投票で吊り上げるしか無かった。後は俺が羊子を二夜目に護衛出来れば良かったんだが……実は俺は初夜に羊子を既に護衛してしまっていて、二夜目は朱美さんしか護衛出来なかったんだ」
「騎士は同じ対象を連続で護衛出来ませんからね」
「まあだからあの時朱美さんが羊子を騎士じゃないか?って
その推察だけは外れていたのだが……結果としては人狼陣営の朱美さんの勝ちゲーに成った。俺が羊子を恋人の
「此方としても呂模さんが騎士のロールならば羊子さんを先ず
「おお……怖い怖い」呂模は苦笑いしながらそう言葉を漏らした。
「因みに、ここまでの話で羊子さんの言動についてお気付きですよね?呂模さん」
「ああ……。あいつの推理、全部当たってるんだよな……。俺と朱美さんの役職を当ててるのが」
「それについてはどう思います?呂模さん。羊子さんは初夜に薄目を開けていたのをGMに叱られて居ました。彼女が再度不正を行っていたと思われますか?」
「可能性は否定出来ないな。だが、羊子のその後の騙り口や挙動が
「本当ですね」
私達はその時二人で少しだけ笑っていたと思う。日も段々と落ちていく所だった。
「さて、二つ目の用件に入るが……。これは多分何かの
「何でしょう?呂模さん」
呂模は少しだけ
「朱美さんは……その、……Twitterでセフレを
「………」
呂模の言葉に私は
「……ゲイ向けアダルトビデオ
「だよなあ……。だとしたらこのTwitterでセフレを
「恐らく、羊子さんでしょうね」
私は自分のスマホがつい
私のアカウントで私ではない何者かが、
止めを刺さんとばかりに私の垢のフォロー先には、十八禁系のアダルト関連の呟きをする垢が無数に増えてしまっていた。一部の
「マジか……。羊子の奴、朱美さんに親でも殺されたのかよ? 最悪だな……」
……この瞬間だろうか? 未だに弁当を食べる事も忘れていた私の中の何かが
ー
「急いでいる、と先程私が言った理由はこれでお分かりでしょう。呂模さん」
「あ、ああ……。後、俺の三つ目の用件が
「私は帰りますが、事の
「俺と、付き合ってくれないか? 朱美さん」
「……
「こんな事言ったら俺も朱美さんから不潔な男だとか思われそうだが……。
二十歳を過ぎる前までには
「……羊子さんとは寝たのですか?
呂模さん」少しだけ呂模がからかい
「いんや、あいつは
夢だった
「先の話の流れから
「"褥"って……朱美さんは本当に日本語が
「話を
「欲しい。下さい。くれ」
あの
「構いませんよ? 別に私はティーンエイジャー達がセックスする事を
たまには自己の中に在る"
そうしなければ、
「意外な意見だな!? ……でも、成る程そうだな。同感だ。後、有り難うな。告白を受けてくれて」
「恐縮です。呂模」私はそこでスカートの
「今まで散々羊子の馬鹿女に
「ならば褥の際には、最高にキレの有る手技で、呂模様を
「おー、あの
"あの世逝き"。確かに言い得て妙だと思った。私も静かに、笑っていた。
「呂模さん済みません。スマホも盗難に遭ってしまいました。母親に電話で
「メア……ド……」
「如何でしょうか? 呂模さん」
「どうぞどうぞどうぞ。登録して。してくれ。して下さい」
「本当に恐縮です」私は呂模からスマホを借り受けて校門の日陰に
やっぱり、男は単純な生き物だ。
単純だから手玉に取り
ーまるで、犬みたいに。
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