現実逃避

 今日も、このノートパソコンと携帯だけを持って、喫茶店に来ている。

 店員とはすっかり顔なじみになっていて、いつものですか?と言われる始末だ。悪いことはしていないから何もおびえることはないが、そう言われるとたじろぐ自分がいる。


 前置きが長くなったが、私は今これを打っている。これは、なにも書きたくて書いているわけじゃない。ただの現実逃避のためにこれを打っている。


 課題が嫌になって逃げだしてみた。しかし、こんなに何度もここに来ていると、ここも居心地が悪い。


 別に、なにかこの行為によって解決されるわけでもなかった。むしろ、この現実逃避によって、さらにタイトな時間が待っていて、未来の私を苦しめる。


 しかし私はこの時間を正当化する。今、私はこれから来たる嵐に備えているのだ、と。私は、さながら幾千万の敵の軍勢を眼下に見下ろし、たった数千の部下を控えて敵を打ち負かさんとする知将のような心持ちだった。

 英語という難敵に対して、私は立ち向かわなければならない。

 そう、私には恐ろしいほどに強大な敵がいた。その敵を打ち崩すには、多くの労力と時間が必要だった。


 あああああ。


 未来の私は、そう叫ぶであろうが、今の私には関係のないことである。さて。これがストレス発散になったかといえばなっていないのだが、しかし私はやるしかない。意を決して、これを締めることにする。

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