第10話「女性服」

「レーダーに未確認機もいくらか確認できてるんだろ?」


 そんな奏多に遥にはこう答える。


「10機前後は居るね。それを考慮すれば恐らく無人機の量産にシフトしたんだろう」


「だが無人機じゃ技術の奪取なんて不可能だ」


「それは僕も分かってる。だから主な任務は偵察か、あるいは恫喝だと推測できるよ」


「ってことは、俺達はお前たちの世界のいざこざに間接的といえ巻き込まれてるってことか?」


「そんなのはごめんだといいたくても、それはもう僕じゃ止められないからね」


「つまり俺達に選択権はないのか。まあ、落ちて来たとき危なっかしい恰好してた君のことだしな」


 遥は彼方にこう反論する。


「男が女になったんだから、服はぶかぶかに決まってるじゃん」


「しかし、何で今お前は女物を着ているんだ?」


 遥はその問いに答える。


「この世界じゃ女の子として過ごしていくことになるわけだし、中途半端な真似はできないよ」


 遥がそういうと奏多はパラレルダイバーの左脚部にある剣を展開する。


「ともかく、やるしかないなら!」


「奏多、右に旋回して!」


「上じゃないのか?」


 奏多はそう疑問を抱きつつもパラレルダイバーを右に旋回させる。


 すると友軍機が上からビームを斉射する。


 それにより無人機の一機は穴が開き爆発する。


 しかしその有人機は別の無人機の放ったミサイルが掠ったことで、

バランスを崩してしまいそのまま墜落する。


「ミサイルが掠っただけで!?」


 そんな遥に奏多はこう返す。


「実弾積んでいるのは爆撃機と戦車くらいだからな」


「だからって掠っただけでバランス崩すなんて流石に平和ボケしてるみたいだね」


「君の世界だって宇宙開発の予算がないからそれを作ったんだろ?」


 奏多にそういわれてしまうと、遥は反論できなかった。

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