第8話「言語」

パラレルダイバーに乗り込んだ奏多と遥は通信を受ける。


【こちら蜂の4。応答せよ】


 遥には通信の内容が分からなかったので、

奏多が答える。


『こちらは民間機だ。しかし、自衛のため戦わせて貰う』


 遥は奏多が英語で連絡を取ったので、その内容は分かった。


「こっちが民間機だっていうのは分かったよ。さっきの通信、何ていってたの?」


 そんな遥に奏多が答える。


「フランス語で応答せよ、っていわれただけだ」


「フランス語か。近い世界なんだし未知の言語とかは流石に無いよね」


「フランス語、分からないんだな」


 そんな奏多に遥は返す。


「第三言語はドイツ語だけど、単位を取るのでやっとだった」


「英語なら分かる、というわけか?」


「研究所は日本語が主だったから、そこまででもないかな。分からなくてもフォローしてくれたし」


「人材が足りて無かったのか?」


 奏多の疑問に遥は答える。


「予算が無かったからね。英語を話せるかどうかに無関係で、オペレーターを募集していた」


「危険手当はないのか?」


「流石にそれくらいはね。予算がないから『それ以上』を望めなかったんだ」

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