第7話「鳴り響くサイレン」

「とはいえ気密性もあるし、内部に空気も積んでいるから宇宙でも平気なんだ」


 胸を張る遥に奏多はこう突っ込む。


「それは書いてあるから分かるが、食料は?」


「食料は空気とかも合わせて一週間分だね。一週間あれば月には付けるよ」


「大気圏突入はできないみたいだな」


 遥はそんな奏多にこう返す。


「一応大気圏突入にも耐えられる素材を使っているけど、非推奨になってるよ」


「それはそうと背中にプロペラが積んであるから、それで飛ばしているのか」


 すると、サイレンの音が鳴り響く。


「この世界に軍が居るってことは、こういうこともあるってことだよね?」


 そんな遥に奏多は返す。


「テロとか紛争が無いではない。そういう不測の事態に備えての国連軍だ」


「もしかしたら僕たちの世界の人たちが攻めて来たのかもしれない」


 続けて遥はこう説明する。


「力ずくで宇宙開発の技術を得ようとした人が居てね。その人が離反したせいで実験は停滞していたわけだけど」


「ってことは相手も君の世界の?」


「その人は政府のバックアップがない。流石に有人転移はまだできてないはずだよ」

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