第262話 君の胃袋は宇宙ですか
今日もなかなかに強行軍。
バス乗って電車乗ってバス乗ってトロリーバス乗って……
何回乗り換えをしたろうか。
いわゆる黒部立山アルペンルートという奴だ。
ちなみにその前、旅館の精算をする時、1人で温泉卵5個ソーセージ2セット芋5個豚汁5杯を焼山の温泉蒸しで食べた強者の存在が判明したのを俺は忘れない。
おかげでここだけでかなりの予算超過が出た。
もちろんそんな事をするのは詩織ちゃんだ。
他にも
○ ずっとトンネルを走るバスの中で川口浩探検隊の歌を歌いかけた馬鹿がいた。
○ その時、一緒に歌おうとした馬鹿も2人いた。
○ ロープウェイと電気バスを乗り継いだ先の高原で、『ついでだからあの山も登りたい』という体力馬鹿2(大先輩1、1年1)を皆で止めた。
○ その止めている最中にふっと姿を消して、1分後に『行ってきたですよ。おみやげの山頂の石』と言って現れた馬鹿がいた。
等で、引率者の俺は結構疲れている。
事案の半分以上は詩織ちゃんの仕業だ。
まあジェニーとかソフィーとか奈津希さんとか愛希ちゃんも。
それぞれやらかしているけれど。
それでも他の人間は黒部ダムや山々の眺望に感動していたようで、まあ良かった。
富山の駅近くにある普通のホテルにチェックイン。
今日はシングルルーム11部屋という力技の予約だ。
ルイスもこれで少しは復活してくれるといいのだが。
さて、今日の目玉は高原満喫だけではない。
今日は日本の誇る庶民文化、回転寿司を味わうのだ。
富山の魚介類は美味しいと聞いている。
ただ11人という人数がちょっと辛い。
なので路面電車に乗ってちょっとだけ郊外へ。
電話でソファー席3つを予約できたロードサイド型の店へ入る。
テーブルはそれぞれ、攻撃魔法科4人、北米連合3人、その他4人で陣取った。
回転寿司のルールは教えてあるし、まあ大丈夫だろう。
それに見た限り、どうも回転させるより注文中心な店の感じだし。
各テーブルには値段は気にするな、頼みたいだけ頼め、わさび有り抜きは個人判断とも伝達済みだ。
という訳で回転寿司の部がスタート。
「まず松と竹と梅のセットを1つずつです」
いきなり飛ばす奴がいる。
「ちょっと待て詩織。それ1人で食うつもりか」
「駆けつけ3杯というのです」
それはドリンク用だ。
「いいじゃないですか。私もまずはセットでお願いしましょう。竹のわさび抜きで」
「私も同じにします。わさびありで」
「じゃあ注文するぞ。注文お願いします。セットの松1つサビ抜き、竹が2つサビ抜き1つわさび有りで、梅がサビ抜きで。あと白身づくしわさびありで」
「はい毎度」
店員さんごめん、面倒な注文で。
見ると他のテーブルも色々注文しているようだ。
何か店員さんに申し訳ない。
異様な集団で大量に注文して。
そして出て来る寿司の大群。
細長い皿に14貫乗ったセットが5皿、白身の握り5貫の皿が1皿。
もちろん詩織ちゃんの所に合計42貫の握り寿司が並び、俺の前には5貫の皿が来る訳で。
「修先輩少食ですね」
「せっかくの回転寿司だし、あとは色々皿で頼むの!」
「私もそのつもりなのですよ。まずは一通りセットで確認するのです」
考え方は間違っていない。
でも量が間違っている。
「他にも食べたい物があったら注文して下さいね。一皿を2人で分けて食べてもいいですし」
「社長、ならば私はあとトビウオとトロサバとかっぱ巻きも欲しいのです」
何貫食べる気だこいつは。
「じゃあ俺も注文するから一緒に注文するか」
「あ、なら私もお願いします。えびマヨいいですか」
以降、この繰り返しとなる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます