第19章 新人さんを確保しよう!

第239話 4月頭の近況は

 香緒里ちゃんが代表取締役社長に就任した。

 実態は何も変わっていないけれど。


 なお社員は現状俺とジェニーの2人。

 でも毎月支給の高い給料以外は何も変わっていない。


 要は高すぎる税金対策の為、節税対策で会社を設立したのだ。

 幸い魔技大インキュベーター室で手続き等は事細かに教えてくれたし、一部手続きの代行さえしてくれた。

 それに特区という土地柄、法務局支所も公証人役場も税務署さえも、必要な役所は全部島内に揃っている。


 学生会作業もしながら1週間ちょっとで会社設立は無事完了。

 あとは日々の帳簿作業とか位で、生活上はあまり前と変わらない。

 名目上は色々変化があったけれど。

 例えばマンションのこの部屋や由香里姉の愛車が会社名義になったとか。


 学生会作業も実質ほとんど終わっている。

 必要なパンフレット類は旅行前に既に印刷完了していたし。

 だから後は新入生懇話会等の新入生対象行事の準備だけだ。

 たがそれも昨年のを元に台本もプログラムも会場予約も準備済み。


 なので話題といえば……


「今年も2人か3人、学生会に欲しいですね」

 人材確保の件になる。


「ジェニー、今年は手応えありそうかな」

「まだわからないれす。ソフィーの彼氏はどうれすか」

「ロビーは学生会タイプ無いです。入るとすれば工作系統のクラブです」


 成程、俺と同じタイプか。

 なら無理に勧めても悪いな。


「2人は確保したい。出来れば攻撃魔法科も」

「魔法工学科の後輩も欲しいのです」

「審査魔法持ちが欲しいれすね。修がいなくなると審査魔法持ちいないれすから」


 それぞれ色々と思惑なりあるが、来てくれるかは運次第という感じだ。

 一応ジェニー率いる広報班にもHP等で宣伝はしてもらっているけれども。


「そう言えばロビーさん、もう日本に来ているんれすよね」

「3月に手続きに島に来て1回会ったです。色々やりたい事あって今東京にいます」


 留学生は4月になってから来ればいいようになっている筈だけれど、何かあるのだろうか。


「やりたい事って何ですか」

「わからないです。アンティコスティで出来なかった事らしいです」


「ロビーさんもカナダ出身なのですか」

「ロビーはアメリカのノースダコタです。田舎の農家で、小さい頃から耕運機とか解体して遊んでいたらしいです」

「それで魔法工学科なんだ」

「魔力はあまり無いです。向こうは機械系魔法使い少ないのでこっち来たいと前から言っていました」


 俺としては微妙に親近感がわく感じ。

 だが無理に学生会に巻き込むのも悪いしなあ。

 なのでこの辺は話半分で聞いていた。

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