夜行スケッチ

@minato_hotaru

第1話

終電を逃した後の祭りは

音楽が絶えず流れる街で

お揃いのシャツをハッピのように

踊り明かすのは僕等だけだった


カラオケも居酒屋も眩しくて

落ち着ける場所を探していると


劇団が使うシアターホールの

コンクリートの階段に寝そべり

一面に広がるネオンの上に

夜空の連絡網を眺めた


白い糸電話が輝く度に

終わった命を星へと導く


この世とあの世の橋渡しをする

三日月も寂しい色を浮かべる


二人の指輪を宇宙に投げたら

新しい星座が生まれるという


僕等の未来を託す一投目

名前はないけど予約に行こう

大きなカーブを描いた光は

天井の低い街だから見える

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夜行スケッチ @minato_hotaru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る