第2話 VSマリ〇カート

家族で久々にゲーセンに行くと、弟(8)のテンションが上がりまくる。

「兄ちゃん、マ〇オカートやろうよ!!」

可愛らしいので、ついついバトってしまう。


狩りがだめでも、レースならイケるはずだ。

グラン〇ーリスモ好きの父親の遺伝子は、何も弟の血潮だけに流れているわけでは無いのだから――――。




「なっ、カーブ曲がり切れな…………ッ」

「はい甲羅あげる~★」

ボゴッ

「あっ」

甲羅でスピンした先に、バナナ……だと!?

ありえない、いやあってはならない。


だが、つねった頬がジーンと痛む。

「くっ、くそ…………っ!!」

「やったー、俺の勝ち。ガムおごってね?」


そんな、馬鹿な。

俺は弟に負けたショックよりも、自分の腕に父親のゲーマー魂が流れていない事に、酷く落胆していた。


「くそぅ、じゃあ今度はアレで勝負だ!!」


そう言って俺が指差した先には…………。


「あ、クレーンゲームだぁ!!」



→第3話に続く!!

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