第二話姉妹魔女と暗黒剣士
千五百二年七月六日ガルザーノ王国領南クラッド付近に未確認物体が落下したと言う報告を受け、ガルザーノ東カルネロのギルドにも協力の依頼が来ていた。
カルネロのギルドマスターはその協力依頼に姉妹魔女のシオリとユナ暗黒剣士のカイザを送った。
戦後銃が流行しアブソーバーも増え剣士や魔法使いは減っていた。
暗黒剣士カイザ全身に黒い鎧を装備している、暗黒剣士昔の魔物との戦闘中負傷して声が出なくなってしまっている。
姉妹魔女シオリとユナ、治癒魔法を得意とする姉シオリと攻撃魔法を得意とするユナ独学で覚えた魔法だが攻撃魔法も治癒魔法も一級品。
「今日はよろしくお願いしますね」
シオリがカイザに挨拶をしたカイザはうなずいた。
現地には王国の兵士と研究者がいた。
その奧には報告にあった未確認物体があったしかし隕石にしか見えなかった。
報告にあった未確認物体などはなく、ちょっと色の濃い隕石だった何故この程度の事態で王国から要請がきているのか、それがカイザにはわからなかった。
「カルネロから来たギルドの方ですね私はアルバです、今回この地域の担当をしているものです」
一人の兵士が話し掛けてきた。
「皆さんにはもしもの為の防衛キャンプで防衛を頼みたいのです」
もしものためそうは言っているが何か起きるカイザはそんな予感がしていた。
「構わないですよ私達はそのためにきたんですから」
ユナはアルバの言ったことを疑問もなく受け入れた、カイザと違い一切の疑いもなく。
防衛キャンプには王国兵士が数え切れないほどいた。
カイザはキャンプに着いてすぐ装備を整えて二人とは別行動をしようとしたがシオリに見つかってしまった。
「カイザさんどちらに?」
カイザは防衛キャンプの南森林地帯を指指した。
「カイザさんやっぱり気になりますか? あの隕石」
気になるのは隕石ではなく王国兵士の行動だった、ギルドの人間をあの隕石に近づけさせないのはおかしい。
詳しく依頼内容も聞いていないギルマスも共犯または何も知らされない理由があるのか、それともギルマスも知らされていないのか。
「カイザさん、カイザさん!」
シオリに呼ばれて思考を停止させた。
気がついたらさっき指を指した森林地帯に着いていた。
「ここに何かあるんですか?」
今度は首を横に振ったそもそもここにはシオリをまくために来たのだが、むりだと確信した。
「ユナを一人にして大丈夫だったかな? すこし心配だな」
独り言と言うことにしようユナ自身あの性格なら大丈夫だろう、少なくとも外面はシオリよりしっかりしてる肝が据わってるのはユナよりシオリだろう。
「カイザさんなにか失礼なこと考えてないですか?」
今度も横に首を振った失礼ではないと思う。
隕石落下地点の方からものすごい衝撃と爆音がきた。
「な、何でしょう今の衝撃」
カイザは昔似た感覚を得たことがあるこの声が出なくなった原因、モンスターの中で唯一負けた事のある者の声。
そして昔一緒に戦った仲間の仇。
シャドウドラゴンその竜が放つ無言の威圧それに似ていた。
カイザは復讐心にとらわれ隕石の方向へシオリを置いて走った。
「カイザさん、なにがあったんだろう」
隕石の場所には魔物に食い散らかされたのだろうか、いたはずの王国兵士と研究者の死体があった。
声をなくした時にも見たこの光景、何度みてもなれない脳裏に染み付く悪夢の用な景色その光景が、そばにいたシャドウドラゴンへのカイザの復讐心をさらに強くさせた。
シャドウドラゴンは吠えた、竜の名に恥じぬ声で。
カイザは剣をしっかりと握り暗黒の力を復讐心で強化させ鎧を巻き込むほどの黒いオーラで身体を強化させた攻撃力、防御力含む全能力を。
「グウォォォォ」
カイザはシャドウドラゴンの首めがけて走り抜けた、そして剣を振り抜いた。
しかし、剣が首に届く事はなくシャドウドラゴンに尻尾で守られてしまった。カイザは尻尾との競りあいにまけ弾き飛ばされ。
カイザは激しく木々に打たれた。
「カイザさん大丈夫ですか?」
血相変えてシオリが走ってきたカイザ自身は平気だが、シャドウドラゴンは防衛キャンプへ走っていた。
あれを止めなければ王国兵士すら赤子の手を捻るより簡単だろう、この際王国兵士はどうでもいい。
しかしユナだけは助けなければシオリに申し訳ない、哀れみしな掛けられない自分に唯一優しく接してくれた、この姉妹にはせめて一つでもなにかを返さねば。
ドラゴンを追うとやはり防衛キャンプに着いていた無惨にもやられていく兵士、それを魔法で援護するユナの姿があった。
カイザは再び剣を抜き今度はユナを戦線から離脱させるのみに目標を置き走り抜けた。
「何なの、ドラゴンなんて初めて見たわよこんな魔法も銃も効かないなんて勝てるわけないじゃない」
「あんたの仲間の剣士はどうしたんだまさかビビって逃げたのか?」
「こいつがくる前からいなかったわよシオリもなにしてるのかしら」
次の瞬間ドラゴンが先ほど同様尻尾による攻撃を仕掛けてきた。
周囲にはユナ以外立っていなかったドラゴンはユナへ近づき口を開けた、ユナを食べるがごとく大口を開けて。
ユナは恐怖心に負け立ちすくみ震え上がっていた。
(何としても奴を止める)
カイザはユナを押し飛ばした自分の左腕を犠牲にして。
(右腕は必ず仇をとるために残しておく)
左腕は完全にもってかれたが変わりに左目をつぶしてやった。
「カイザさん、ユナ大丈夫?」
シオリがドラゴンが退いたのを確認して走ってきた。
「私は大丈夫だけどカイザさん腕が、ごめんなさい私のせいで」
首を横に振った誰の為でもないこれは俺とあのドラゴンの戦いだからだ。
「カイザさん腕は止血して治癒魔法をかけますね」
そう言ってシオリは手際よく止血し包帯を巻いて治癒魔法をかけてくれた。
また借りができてしまったさっきユナをかばったのは貸し借りではないかもしれないが。
「これからどうするの? あのままじゃ王国まで行っちゃうわよ?」
「カイザさんはもちろん追いますよね?」
こくっとうなずいた
「でも、銃も魔法も効かない相手に勝てるの?」
ユナのもっともな意見を突きつけてきたしかし、カイザは自分の剣を二人に突きつけた。
「剣が効く保証はあるの?」
少なくとも昔戦った時にこの暗黒剣は効いた、だからカイザは迷いなくうなずいた。
「それなら、早く生きましょうカイザさん確か馬がいるはずです」
馬小屋、だったものは半壊していた馬は二匹残っていたが他は潰されたのだろう無惨な姿になっていた。
「二匹しかいないじゃないどうするのよカイザを走らせるわけ?」
「カイザさんは怪我人だから私の後ろに捕まって乗ってください」
静かにうなずいた。
(不本意だが今の怪我の状態ではしょうがない)
馬にまたがり王都に向かった。
王都に着くのが遅すぎたのかほとんどの建物が倒壊していた。
「シオリあのドラゴン城に向かってるわよ」
「ユナ足止めか気をそらせる?」
「やってみるわ」
ユナは手綱から手をはなしクリスタルのような結晶を取り出した。
『第一系統火属性:フレアボム』
そう言った瞬間炎の玉が出現しシャドウドラゴンへと一直線に飛んだ。
火の玉はシャドウドラゴンに命中しこちらを向いた。
二人は馬を止めた、カイザは先導して進み二人を離れた所に待機させた。
(これは俺の戦い二人を巻き込む訳にはいかないあの姉妹が傷つくのだけは避けなければ)
シャドウドラゴンはカイザを標的にしたカイザは再び黒いオーラをまとい今度はシャドウドラゴンの足を狙った。
足元へ滑り込み足を切ろうとした瞬間カイザはシャドウドラゴンに潰された、声を発することなくカイザは意識を失った。
「カイザさん!」
その声に反応したシャドウドラゴンはシオリとユナの所向かい走った。
黒い空間の中で目が覚めた不思議な声が聞こえてくる。
「貴様の中にある聖なる力そして
(ついでか、喋れるだけでもありがたいがな)
※
「シオリこのままだと私達も危ないわよ」
「うん、どうしようか?このままだと私達も命が危ないよね」
普段後衛の魔法使いには避けるのが精一杯だった。
突然カイザが倒れていた場所から光の柱が現れた。
そこには白銀の鎧を装着したカイザの姿があった。
「カイザさん無事だったんですね! それにその姿、、、ユナこの前に行った神殿で見たのに似てない?」
「ゼクティスだったっけ?よく覚えてないわ」
この姿の正式な名前はわからないしかし能力に関してはさっきの声の主から使い方を声ではなく意志で受け取った。
「この力俺に使いこなせるのか」
それだけが気掛かりだったでもいまの自分は昔とは違うはずだ、無力でなにも守れなかった自分とは、今は力がある絶対に二人は守る。
『《エンチャント》スパーク』
カイザの能力は
それに対してカイザは全身そして長時間エンチャント可能である、ちなみに本来なら魔法を覚えていないと使用不可。
カイザが能力を発動した瞬間カイザの全身に雷が走った。
目覚めた時にもっていた白銀の剣自由に動かせる義手のような左腕、その腕を確認して剣を構えた。
「シャドウドラゴン今までの借りは返させてもらう!」
普段は出なかったスピードで走り足を切ったシオリもユナもシャドウドラゴンでさえも、肉眼では捉えられなかったシャドウドラゴンの右前足そして右翼を切り二人と共に遠くへ退いた。
「二人はここにいてくれないか? もう大切な人は失いたく無いんだ」
カイザは二人に動かないように言葉とクセで腕でも合図した。
「嫌です」「嫌よ」
即答だった。
「カイザさんも私達には大切な人ですからね!」
(これはなに言っても反論は受け付けてくれないな、うれしいけど)
嬉しかった、嬉しくて泣きそうだったこういう時は仮面兜は便利だと思った。
「じゃあ、二人にバックアップお願いするよ」
「カイザさん喋れると上からですね」
(久しぶりに喋ったからかどう喋っていたか覚えていないのだからしょうがない)
「じゃあ行くわよ」
ユナの合図でカイザは走り出しシオリは補助魔法ユナは攻撃魔法を放った。
『融合魔法第一系統火属性:フレアボム+第一系統雷属性:スパーク』
『同時発動:第二系統補助魔法:シールド&第二系統補助魔法:ブーストアップ』
『パラディクス発動:エンチャント:ホーリー』
ユナによる牽制攻撃の合成魔法、射程の短くて威力の高いフレアボムに射程の長いさスパークを合わせるという魔法、シオリによる攻撃力防御力強化この姉妹のコンビによる最高の援護。
牽制が背中に当たったのを確認して残りの片翼を切り頭部に切り掛かった。
「グガァアアア」
シャドウドラゴンが吠えた途端遠くから赤い色のドラゴンが走ってきたそれと同時に十八番の尻尾攻撃。
「もう一匹無理じゃないのか行けるのか。いや、やらなくちゃダメなんだ」
(少なくともあのドラゴンもこっちを狙ってるならこのまま引きつけるしかない)
「まずは、こいつを倒す『エンチャント:ブースト&セイバー』」
さっきのパラディクスで身体能力聖属性を強化、ホーリーで聖属性エンチャントブーストによる身体能力重ね掛けの強化、セイバーによる剣の特化強化。
(体への負担は大きいがこの程度なら耐えきれる)
『第四系統聖属性:ホーリーランス』
ユナ、、、ではなくシオリからの援護はシャドウドラゴンの後ろ足とそれより前を断切した。
上半身しかないシャドウドラゴンはバランスを崩し倒れていた。
「あばよシャドウドラゴン俺達の勝ちだ」
シャドウドラゴンの首を切り飛ばしたなんとかドラゴン二頭の同時相手はしなくて済んだ。
(さっきの魔法かなりの出力だがシオリは大丈夫なのか)
『エンチャント:解除』
エンチャントを解除し剣を深く握った目の前にいるドラゴンのために。
しかし、赤いドラゴンはシャドウドラゴンを見つめとび去ってしまった。
「なんだったんだ」
完全にとび去ったのを確認してシオリ達の元へ向かった。
「カイザどうしようシオリが魔力切れ起こしちゃったわ」
「じゃあやっぱりさっきの魔法はかなり無理して放ったのか」
軽度の魔力切れは放置で治るが意識を失い衰弱しているシオリは危険な状態だ。
『ローカルエンチャント:オートリフレクション』
カイザ自身の魔力消費はすごいがシオリの魔力はオートリフレクションでみるみる回復しシオリが意識を取り戻した。
「カイザさんありがとうございました」
「いいんだよそれと二人に言うことが実は俺カイザは偽名で本名はカズって言うんだ」
「えぇー!?」二人の驚いた声は街に響いた。
{気分で書くあとがき}
皆さん二話および一話読んでいただきありがとうございました文章力0知能0の私でございますが読んでくれる方がいるだけで嬉しいです。
私ごとではございますがTwitterにてカクヨムユーザーのフォロワー(多分俺のファンそして読者でもない人)
がフォロワーに私自身その人の作品は知りません。
そんな私文章力というか国語の成績は1学校いってないからですが唯一1じゃないのは出席日数だったりして(笑)
マイペース文章力0をモットーに(文章力はあげろよ)投稿していますコメントなど気軽にどうぞTwitterにてキャラクター絵も募集してます絵もからっきしだめなので。
投稿してる携帯のスペックの問題で時々変なところに変な文字があるかもです一応投稿まえに確認してますが見つけたら教えてくれたら修正します。
これからもよろしくお願いいたします
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