もし最後に手に入れるなら愛?それともお金?

箱丸祐介

第一話すごい主人公と冴えない付き人


朝起き洗面台へ向かい顔を洗いそして着替えてリビングへ向かうそれが私、ロイゼの朝いつもの普通の朝。

そしてリビングには私を好きな主人が待っている。

「おはよー、ロイゼ朝は米とパンどっちがいい?」

何気ないいつもの会話だった。

「パンでお願いします」

「りょーかい」

今日はいつもより早く起きていたのだろう、いつもより朝ご飯の用意が進んでいる普段は昼ご飯のお弁当も用意しているが、今日はもうお弁当が完成していた。

「今日さ、朝すごい轟音が響いてたんだよ」

「あれ、この家防音じゃなかったですっけ?」

同じ家に住んでいて自分も聞いてないなら分かるが、ご主人が聞いているのはおかしいと思う。

「それでその轟音の正体は何だったんですか? わかったんですか?」

「んー、隕石かな? 確認いくまえにオルガさんに見つかっちゃったからねー」

オルガさんと言うのはこの街クラッドのギルドマスター、ご主人はそのギルドのメンバーの一人。

「お仕事ですか? もしかしてその隕石関係ですか?」

「んーかなり地味な仕事かな、しかもあの人の仕事だから報酬も期待できないし」

かなりブラックなギルドであると有名なのである。

「さっ依頼主のもとへ向かうかこっからなら馬車使っても一、二時間は掛かるからな」

そう言ってご主人は外に用意していた馬車に乗り込んだ私もあとに続いた。

「ご主人目的地はどこなんですか?」

「家の中ならともかく外でご主人はやめれ、おいてくぞ」

この人、ご主人であるユウキ・アンドウ(さん)は身寄りのなく売られそうになっていた私を助けてくれて更にあの家に住まわせてくれている。

「じゃあアンドウさんで」

「ロイゼちゃんさん付けもやめようか、ユウキでいいから、あと着いたら着替えようか暗いから」

(葬式のような服装じゃあ依頼主には会えないからな)

「わかりましたユウキ、、、さん」

一時間と少しして王都ガルザーノに着いた。

「さてと服買いに行こうかかわいくコーディネートしてあげるからねぇッへッへッへ」

「「「こいつ悪人だ」」」みたいな目で周りの人が見ていた。

洋服店に入り服を買い依頼主のいる城へ向かった。

「お城ですか」

見るからに巨大な城門をみて私はびっくりした、今までの自分なら来るはずのない所だったから、これもユウキさんのおかげなんだろう。

「いきなりなんだが依頼の話に入ろう」

王の目の前に来た瞬間これだった長話がないのはありがたいかな。

「三週間ほど前から大規模な山賊がシャウド山岳に住み着いていてな、それを退治して欲しいのだ」

「この王都にもギルドはあるのに俺を指名したってことは、かなりの厄介者らしいな」

オルガから伝えられたのは王都から俺を名指し指名で王が呼んでいると言うことだった。

なら考えられるのはただひとつ優秀な人材が軍に流れている王都のギルドでは手に負えないそして正規軍を使える状態ではないと言うことだった。

「報酬はそれなりなんだろうな?」

「あぁ、八百ダルとこれをやろう」

そう言って木箱を側近から受け取った。

(ちなみに八百ダルは八十万円くらい)

木箱の中身は一丁の拳銃と弾丸入りのマガジンだった[F89デザートイーグルシルバーモデル]ガルザーノ王国がストレンジ王国との戦中、少佐以上の階級の者で希望した物に作られた銃。

(実在するデザートイーグルとは関係ないです設定も今作りました)

「言っておくが俺の腕は一年前から腐りきったままだからな、望みの戦果が得られるかはわからないぜ」

「あぁそれでも構わない君はこの王国の最後の希望だからな」

(大げさなんだよ)

そうしてシャウド山岳に向かった。



徒歩で向かった為山岳に着いたのは夜だった。

目視できる敵だけでも三十人近くいた骨が折れる作業だろうと思った。

腰ポケットからサイレンサーを取り出したそしてガンケースからデザートイーグルではなく自前の拳銃を取り出した[UYZ1ーa《アルファ》ーカート]ユウキが自分で作り上げた銃である利点は麻酔弾と通常弾、貫通弾を共通で打てることカラーはシルバー。

ユウキは麻酔弾のマガジンをカートに入れサイレンサーを付けた。

「ロイゼちゃんはここで待機しててね」

ロイゼは無言でうなずいた。

それを確認したユウキは敵のキャンプに近づいて行った。

ユウキは深呼吸をして三度目の呼吸で止めた、止めたタイミングで走り次々と山賊を無力化していったものの五分で目視していた山賊は無力化した。

ロイゼといた位置から目視した敵だけだったが。

これだけの数能力者アブソーバーでもいない限りギルドのやつが手こずる訳がない。

「動くなよ、動いたら女の命はないぞ」

「それだけの数に近づかれて気づかないとは俺も腕が落ちたなー」

自分の不甲斐なさに呆れつつ手を上げた。

「黙れ!そのまま武装を解除しろナイフもだ」

そう言われ武装を地面に一つ一つ置いていっか拳銃二丁、ナイフ十本、手榴弾八個、スモーク及びスタングレネード四個ずつマガジン四種類四ケース、腰に入れていたサブマシンガンなどなどユウキの仕事着であるYシャツ姿(夏服の制服みたいな格好)からは

想像も出来ない量の火器だった。

「「「どこに入れてたんだよどこに!」」」

と当たり前のツッコミ。

「シャツの下のチョッキだけど?」

と山賊にチョッキを見せた。

そして次の瞬間チョッキの下にあった銃に手を入れロイゼを拘束している親玉らしき人間の周りから百人近く居た山賊を無力化していった今度は通常弾で。

常人の反応速度を上回るスピードで弾丸は発射されたユウキの持つ二丁の銃によって。

辺りは一瞬で赤に染まり立つものはユウキを含め三人しかいなかった。

「お前はまさか、かつてストレンジ王国の英雄と呼ばれた[血界の閃光]と呼ばれたユウキ・アンドウか?」

「血界の閃光なんて、呼ばれるのはひさしぶりだがなそれに英雄じゃないさ、あの国はもう滅んだからな」

ユウキのロイゼが聞いたことのない二つ名だった。

ユウキの返答を聞いたからか山賊はロイゼの拘束を解いた。

「冗談じゃないストレンジが滅んだのはあんたの亡命のせいだろう」

「違いないな」

ロイゼはその意味がよくわからなかったまずその国の名前すら聞いたことがなかったからである。

「相手が悪いな大人しく降参するよ」

山賊は持っていた武器を投げ捨てた

「悪かったなあんたの仲間を殺しちまって」

「良いんだ部下の死亡は指令官の失態だろう? それにあんたの腕を見抜けなかったからな」

「あんたストレンジ王国の元兵士か?」

最初の言葉には聞き覚えがあったかなり昔だったがしかし、その疑問は確信に変わった山賊であるその男の銃にはストレンジ王国の刻印があった。

「あんた名前は?」

「ジーク・ダストンだジークでいい」

しかし名前には聞き覚えがなかった理由は忘れているか面識が無いのだろう。

「頼みたいことがある、俺を殺してくれないか? 部下たちのもとへ行かせてくれないか」

ジークはそう言って自分の銃をユウキに渡した。

ユウキは銃を受け取り銃口を向けた。

「わかった、目は閉じてろよ」

次の瞬間、パァンという音が放たれた。

しかし、ジークの体には撃たれた跡はなかった。

「何故撃たなかった」

「人に頼まれて引き金を引くのはもう二度といやなんだ

だから、あんたは今生まれ変わったそして俺に力を貸してくれ」

ユウキはそう言ってジークにてを伸ばした。

「わかったあんたに力を貸そう」

ジークがそう言った瞬間焦げた匂いと共に衝撃と爆音が城の方角から来た。

「早速だが力を貸してくれここから城の方まで帰る近道はあるか?」

「道はないが地下に俺達が作ったシェルターと繋がってる列車の道がある車両は一両だけだがな」

そう言ってジークは地下に案内してくれた。

「ロイゼちゃんはここにジークといてくれ」

「いえ、私も行きますユウキさんの付き人ですから」

「後悔してもしないぞ?」

「覚悟は出来てます」

二人は列車に乗り込んだ。



三十分程して列車が目的地に着いた。

階段を見つけ上がると半壊した窓状の戸があった。

戸を開けるとそこは崩壊した王都ガルザーノが見えた、それは悪夢かとも思えた光景だったユウキすら伝説でしか聞いたことがない魔物、ドラゴンの姿がそこにはあった。

位置としてはクラッド付近だった

「ユウキさん外の様子はどうですか?」

ロイゼも下から上がってきたそして悪夢のような光景を見てユウキと同じく言葉を失った。

「最悪だなこの状況は。

生存者がいないか探してみよういればここまで連れてこよう」

「はい!」

王都には生存者は見当たらなかった。

「きゃあっ」

離れた所からロイゼの声がした。

声のした方向へ向かったそこにはドラゴンに襲われていたロイゼがいた。

「ロイゼ目を閉じろ」

そう言ってユウキはスタングレネードを投げた。

「こっちに走れ」

この程度の目くらましが効かない相手だと承知の上でロイゼを呼んだ、多分それが一番安全だと思えたからだ。

だがその予想は外れドラゴンは瓦礫をロイゼに向かい飛ばしていた。

(身体に負担があるから使いたくはないんだがな、背に腹はかえられないか昔血界の閃光と呼ばれた理由。そして二十年前から年をとってない原因何だがな俺のアブソーバーとしての力使わせてもらう)

ユウキは右足に力をいれて手を握り能力を使った。

ユウキの能力『絶対領域』自分から一定の範囲を自分以外停止させる、それが光でも銃弾でもしかし停止させるのは身体を考えて三秒、ユウキの人間離れした身体能力が無ければ成り立たない代物だ。

だが今回はその身体能力を生かしてもロイゼをかばうことしかできなかった。

「大丈夫? ロイゼちゃん」

「はい、でも。どうしてわたしななんかをかばったんですか?」

不思議そうな目でロイゼは問い掛けた。

「好きな人を勝手に守るのに理由なんているかな? 逆に」

ユウキは当たり前のようにロイゼの疑問の目に応えた。

「さぁ、こいつを片づけようか」

額から血が出ているのも気にせずユウキは立ち上がった。

銃を取り出しユウキは連射したドラゴンの強靭な鱗は貫けなかったが、足止めにはなった。

「ロイゼちゃん家の場所ってわかる? こいつ足止めするから剣とってきてほしいかな」

「わかりましたでも、壊れてない保証つてあるんですか?」

いくら主の命令とはいえ、危険を犯してまで壊れたものを取りに行く勇気はなかった。

「保証はないけどそれがないと勝てないから多分」

「探してきます」

ユウキの言葉の意味を理解したロイゼは家の方向へ走った。

「さぁかかってこいよデカブツ」

ドラゴンは爪で攻撃してきたが、ユウキはそれを避け、ドラゴンの目を狙った足止めだけのつもりで。



ロイゼは家の建っていた場所で剣を探していた主のために二度も命を助けてくれたあの人の為に。

一方ユウキは苦戦していた目をつぶした途端に見境なく攻撃し始めたその上銃声が頼りになっているのかしっかり近づきながら暴れている。

(こりゃあ目つぶさない方がよかったかもな)

「ユウキさん! 見つかりました」

最後の希望が実った。

「そのままこっちに投げて!」

ロイゼが剣を投げた。

それをユウキは受け取り鞘から取り出した。

「魔剣ガリュオン久しぶりに使うな最高だな昔を思い出す」

そう言ってユウキはドラゴンに向かった。

『片手剣技:シルバーバレット』

ドラゴンは一刀両断され切り口から氷が発生したドラゴンは冷凍状態になった。

その日ガルザーノ王国は滅んだ原因不明の現象によって







{すごい主人公と冴えない付き人(ユウキ編)完}

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