災いの

大きな物音がする。なにが起きているのか…確かめない訳にはいかなかった。そこでは、あの弱々しい老人など面影もなかった…


「何をするんだよ!!」

祖父は口を閉ざして斬りかかる。

「やめてよ‼俺が何をしたって言うんだよ‼」

「黙れ‼お前は産まれたときからそうだった…気のせいと思いたくて放って置いたが間違いだったようだ…このめが‼」

何を言ってるんだ?訳がわからない…産まれたときから?俺が何をしたって言うんだよ‼悪魔と同じように心で叫んだ。


悪魔と気づかれている…?やはりこの爺勘が鋭かったのか?

だが自体は単純になった…お前は最初の犠牲者だ‼

「ここで殺すのがせめてもの償い!!わしの罪の…」

悪魔の体が二つに裂ける。血は吹き出ない。


ズッ


と重く嫌な音が鳴る。祖父の体が倒れる。胸に穴が空いている。動かなくなる。

「しかし老いぼれの癖によくもあんな動くよな。ただの牧師じゃなかったのか…?調べる必要がありそうだ。」

悪魔の体は元に戻っている。


死んだ。いや殺された。間違いなく自分のせいで。何もできない。あんな奴と闘える訳がない…俺はあのときのように逃げ出した。

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