思案
駅はそれなりに大きい。構内から百貨店にも行けるし、なによりこの財布があればしばらく(というか一生)生きていけるだろう。問題は身分証明ができないことだ。そんなことしたら最悪大量の人が殺されることになる…そうなれば自分一人死んだほうが
なんで俺は生かされてるんだ
アイツは俺が二人じゃ困ると言っていた。なら殺せばいい。ドッペルゲンガーってそんなんじゃなかったっけ。しかし何故だ…
わからない。が、わかった。
アイツは俺を殺せない。が、自分の正体は知られたくない。だから脅した。正体を知った者を殺すと。つまり正体を知ったことを知られなければいいということ。
協力者が必要だ…悪魔と闘うにしろこのまま生きるにしろ。
いるのか?俺に。命をかけてくれるような奴が…
腹が減ったからとりあえずハンバーガーを食った。大富豪になっても貧乏性は変わりそうにないな。
高野幸広という人間は可もなく不可もない存在のようだ。誰とも波風たてない、尊敬すべき対人スキルかもしれない。大人しいキャラ以外は使い勝手が良さそうだ、少しずつ修正していけばいいだろう。
そんなことよりも気がかりなのは魔導書だ。部屋を探してもどこにもないあたり逃げるときに掴んでいた袋の中にでも入っていたのかもしれない。そして考古学や民間伝承、心霊研究に詳しそうな人間はこの家族にはいない。誰から渡ってきたのか。ソイツは魔導書の内容を理解しているのか…
問題は山積みか。それもまあ、人間らしくて楽しい。とりあえず親戚の情報を辿ろう…
味方になりそうな人間をリストアップしてみよう。
宮代 茜
唯一の親友かもしれない。男だ。名前は気にしてるらしい。
高野 営
妹。賢しい。仲は悪くはないがそこまで良いわけでもないが5000兆円あれば動くかもしれない。あまり危険には晒したくはないが。
高野 晴幸
当の祖父。牧師だっつーからお祓いとかやってくれるかもしれん。でも怖い。窃盗してるわけだし事情が事情なだけできるだけ関わりたくない…けど一番解決の近道だろう。
少なッッッ!!!!!!!!!!
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