第11話 訓練③

「乗るだけだと?」


「そうだ、それだけだ」


筧に向かって、俺は胸を張って答えた


「俺の異能は、そんなことしかできないんだよ」


だから、UGNでもかなり低い扱いだったさ


「よくそれで生き延びれたな」


「仲間に助けてもらっていたから」


UGNはオーヴァードの保護を目的として創立された


どんなに弱いヤツでも、基本的に守って貰える


もちろん、悪いことをやっていれば放り出されるが


おかげで、殆どFHの連中との戦いに出された記憶がないね


「つまり、役立たずだったのだな」


「そう言うことになるね」


だから、みんなに嫌われていました


「しかし、それだと困るな。殿はお優しいとはいえ、役立たずにただ飯は食わせないだろう」


「うーん。そうか」


いきなりこの時代に跳ばされた俺は、ほかに行くあてなんてない


仮にあっても、俺なんかをおいてはくれないだろう


「仕方ない、俺は銃が専門ではあるが、それしかできない訳ではないからな。お前に剣術の真似事を仕込むぞ。戦に勝つためではなく、生き延びるための技をな」


こうして俺は棒切れを持たされ、筧にボコボコにされた

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