町子

@Nakahara

町子

     


町子は智子に嫉妬をしていた。智子は付き合っている男性がいて自分にはいなかったということはあったが、それは嫉妬の原因にならなかった。しかし、ある日、町子が狙っていたルイ・ヴィトンのバッグを智子が先に持っていたことに嫉妬をした。しかしそれはさておき、町子は智子の知的さに嫉妬をしていたのだ。智子の知性は経済力を産み、高価な物も買えた。

ついにある日、町子は激しい嫉妬心から智子を殺した。そして町子は自首した。


町子の裁判の日、その裁判中、裁判官たちは感情的になってしまっていたが、判決は冷静に下された。その判決とは死刑だった。だが、町子は上訴して、死刑判決はなくなった。どうして殺してしまったのだろうか。今出来ることはないのだろうか。そんな風に時間が解析的に(アナリティカリー、analytically)流れた。あっという間に世間の人の半分ぐらいの人が事件の事は気にしなくなっていった。

町子は刑務所でも刑務所から出てからも勉強をして過ごした。村上春樹の小説も読書勉強した。しかし、町子は智子がそうであるように知的になれなかった。知的になるどころか町子は癌に侵され、入院した。病室の机に読みかけの村上春樹、「女のいない男たち」ただ一つ置いてそこで息を引き取った。(医師の死因の特定:癌による内臓器不全)(おわり) (一話完結)

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