狼として
6時00分。
僕は騒がしいベルの音に無理矢理に起こされた。
太陽が眩しい。なんてこともなく曇天。
昨日の夜は2回も目が覚めた。
だから今日を生きるのは3回目。
1度目も2度目も失敗。
ただ目が覚めてリビングへ行きお茶を飲んだ。それだけだった。
故に3度目の正直、今日3回目の僕はまず何をしよう。
とりあえず、家を出るまでまだあと1時間20分もある。
シャワーを浴び髪を乾かしながら歯磨きをして、パンを手に持ち家を出た。
あ、あと髪の毛も念のためセットした。
学校へ行きクラスに入ると気怠く面倒臭そうな雰囲気。
空気がまずい。同じ空気を吸い僕も僕を吐く。
結局僕も彼らと同じ。一緒に空気を汚す共犯者。
授業が始まり少し時間が経った頃。
教師がとても小さな失敗をした。
それを棚に上げ嘲り笑う
ああ、この世界はなんて醜いんだろう。
憎しみという感情が教師の中にふつふつと沸き上がる音が僕には聞こえた。
僕は所謂、陰キャラ。
という訳でもなくポジションで言うのなら一匹狼とでも言おうか。
すこし誇張されて格好よく聞こえるけど。
僕が動いたところでこのクラスが変わるのだろうか。
いや、変わらない。変わる気になどならないだろう。
それほどまでに無力。
一人の人間の力なんて。所詮はそんなもの。
革命を起こすものには決まって優秀なサブがついていた。
僕にはそのサブがいない。
一匹狼なのだから。
Fake World Wonder Land 蒼野 遥 @Ryuga_Band
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