第2話 ホテル"エリュシオン"での出来事
ドクトルと話をして、温泉に行く事になり、『ほけんしつ』?とか言う部屋から出て、3階にあると言う温泉の女湯に行く事にした。現在、3階の廊下にいる。
「にしても、結構鍛えてるよねー、レイちゃんって、最初見たとき男かとおもったよー」
「…そ、そこまで男っぽいですか?私は」
「うん」
「………」
そ、そこまできっぱりと言わなくても…。元いた世界では結構、オシャレとか嗜んでた方なのに…。
話しながらだと、あっという間に目的地につく。私たちは、中に入り温泉を堪能した。特に『ろてんぶろ』が気に入った。景色を見ながらの風呂は綺麗で格別だった…。
「イヤー、サッパリしたねー♪」
「そーですねー…久々にスッキリすることができましたよー」
「それは良かった♪あ、これ飲んでみて」
「?なんですか?この…容器は?」
「『フルーツ牛乳』っていってね。お風呂上がりのコレは格別に美味しいよー!もう、すんごい人気あるんだから!」
「へー…」
と、言うので、言われた通りに蓋を開けて、飲んでみた。コレは…すごい美味しい!
「美味しいですね!コレ!」
「でしょー!」
確かに、人気になるのもわかる。これはたまらない。
「よし、温泉に入ったら、次はご飯を食べよっか」
「…毒とか入ってないですよね?」
「そんな勿体無いこと 、『デリーちゃん』がするわけないじゃーん!」
「デリー?」
「アァ、私と同期でね、料理長を担当してるんだ。普段は優しいけど、マナーの悪い人には容赦ないから気を付けてね♪」
「ハ、ハァ…」
どう返せばいいのかわからなくなるなぁ…。
「1階に食堂があるから、先行ってて」
「え、ドクトルさんは?」
「チョイと連絡をとりに、わからなくなったら、道中、"案内板"っていう、行き方を教えてくれる板があるからそれを見て行ってちょうだい」
「わかりました」
はて、誰に連絡をするのだろうか?まぁ、ドクトルさんだから、私を殺そうとはしないだろうから、お言葉に甘えて、先に食堂に行こう。
「案内板とやらは…アァ、これか。…ふむふむ、ココをこういってこう…分かりやすいな」
「そうデショー♪」
「はい、説明がとても丁寧で……ん?」
んん?私今、誰に相づちをうった?
そう思い、声のした方向…後ろを振り替えると、1人の女性…長い黒髪を三つ編みにし、1つにまとめ、袖が手のひらを隠すほど長く、龍の絵が描かれた服と、灰色のズボン(私のいた世界じゃあ、龍人族が着ていた"ドラゴン・スーツ"と"ドラゴン・パンツ"に酷似している)…が立っていた。
嘘でしょ⁉気配に気づけなかった!なんなんだこの人!?
「貴女は…?」
「私?私は皆から"デリー"って言われてるネ!君、さっきドクトルが話してたレイちゃんカ?」
「へ?あ、はい。私がレイです」
「やっぱり!じゃあ、おいで!美味しいご飯
、作ってあげるネ!」
「て、ちょっと!い、いきなり腕を引っ張らな…てかデリーさん早い!こ、転びそうになります‼」
「ついたヨー!」
「え!もう!?」
いくらなんでも早すぎでは…?1分立つかどうかも分からなかったぞ…?
「じゃあ、ちょっと待つネ。君のために"ウェルカムディナー"作ってあげるネ!」
「ありがとうございます」
その間、食堂とやらを見渡す。500人ちかくは入れそうな位広く、テーブル、椅子も多い。現時刻が22:00近くで、使用してる人が私とデリーさんしかいないからか、少し薄暗い。
そう思いながら、料理を待ってると、一組の男女が入ってきた。
男性は…あれは確か…貴族の人が使ってた"シルクハット"だ。それを被り、黒いマフラーを首に巻き、先程デリーさんが着てたドラゴン・スーツ(違うのは、色が薄い青色で、袖口が黄色く、龍の絵が描かれていない所だ)を着ており、下半身を…確か…何て言ったか…ああ、そうだ"ハカマ"とか言う、『日の本大国』で主流の着物だったな。それを着ており、靴は…あれも『日の本大国』で主流の…"ゾウリ"という履き物だな。それをはいている。
眼の色がは黒いが、髪の毛は青い。それに髪の毛の一部が獣の耳のようなはねかたをしている。手にはこれまた貴族が持つような手持ちが傘のような感じの杖を持っている。
なんというか…異色のオーラを放つ存在だなぁ…。
女性は普通にキモノを着ている(桜の樹と華が彩られた綺麗なキモノだ)。履き物はゾウリだ。
髪の毛は黒い(そしてドクトルに負けない位…いや、それ以上?の髪の毛の量だ。それを1つにまとめてる。モコモコしてそう。)。眼は桜色をしている。
ここまでは人間だと思える。だが、彼女は"亜人"であるというのが見てわかる。
何故なら、彼女の頬には"鱗"が生えていたからだ。
私の目線に気づいたのか、彼らはこっちを見てきた。
「アレー?もしかしてさっきドクトルが言ってた新人さんかなー?」
と、男が聞いてきたので、私は頷いた。
「やっぱりねー、見たことない人だと思ったわけだ。ようこそ!ホテル"エリュシオン"へ!あ、俺はこのホテルのトレーニングルームの管理人、通称『バトルマスター』をしている、『
「あ、はい、こちらこそ…私は『プライム=レイブランド』と…」
「さっきドクトルが君の名前言ってたから知ってるよ。んでー、隣にいる人がー自分の…」
「創真の妻の『サクラ』だ。よろしく頼むぞ、新人」
「え、結婚してるんですか!?」
「「してるよー♪(ぞ)」」
「息ピッタリですね」
「「よく言われる」」
「あ、サクラはねー、『夜刀神』って言われる"蛇神"なんだー」
「はぁ…え、邪神!?」
「違う違う!邪悪な神って意味じゃなくて蛇の神の方の意味!」
「あ…え、えと…ごめんなさい」
「大丈夫だ。そーいうのには慣れてる…グスン」
「アー!サクラ!泣かないで!ネ!?折角ご飯食べに来たんだからさ!笑顔で行こう‼ネ!?
」
「…ホントにごめんなさい…」
わ、私の発言で重い空気になってしまった…。ど、どうしよう…。
「ご飯出来たヨー!」
デリーさん!ナイスタイミング!
「アレ?"創狂破の夫婦"起きたのカー?」
「あー、うん。チョイと小腹が空いてね。お茶漬けでもいいからなんかくださーい!」
「合点承知ネ!けどその前にレイちゃんにこれ渡してからネ?」
「了解」
「と、言うわけでー、はい!レイちゃん!召し上がりネ!」
しばらくデリーさんと創真さんが話した後、デリーさんが私に出来立てホカホカの料理を持ってきてくれた。アァ、私のお腹の虫がさっきから鳴り続けている…。
「お、豚カツかー、白米と味噌汁もキャベツの塩漬け…どれもうまそうだねー」
「そうだな…茶漬けで済むだろうか…?」
「自分は無理、デリーさーん!茶漬け変更で!自分もレイちゃんと同じやつでー!」
「わ、私もだー!」
「そう言うと思ってもう作っといたアルヨー♪」
「さっすがデリーさん!ほら、レイちゃんも一緒に食べようぜ!」
「はい!」
「それでは…」
「「「いただきます」」」
「アレ、そっちの世界でも、"いただきます"って言うんだ」
「はい、この世界でも?」
「ああ、そうだ。私がすんでた世界じゃあ、長ったらしい言葉を述べてから食べたぞ」
「なるほどー…」
等と、話し合いながら"トンカツ"とか言うのを食べてみたが…これうますぎまいか!?
「外側がサクサク、中身がジューシー…トンカツとやらはこんなにも美味しいものなのか!?」
「このソースかけてみな。さらに美味しくなる。ご飯と一緒に食べても相性抜群だぞ?」
「何だと!?」
「少し落ち着け、レイとやら」
サクラさんに注意されながらも、ソウマさんの言う通りに"ソース"とやらと共にトンカツを食べ、白い米と共にトンカツを食べてみたりした。至福だった。野菜を漬けたやつも丁度いい塩加減だった。スープ(ミソシルと言ってたか…)も暖まる味だった。
気づいたときには…
「「「ごちそうさまでした」」」
もう、食べ終わっていた。時間が過ぎるのはやぁい…。
「アレ!?出遅れた!?」
と、ココでドクトルさんが遅れてやってきた。
「お、ドクトルやっと来たな」
「アァ、もう我々は食べ終わってしまったぞ」
「というか、何してたんですか?」
「アー、遅かったかー…一緒に食べたかったのにー」
「す、すいません」
「別に謝らなくてもいいのにー、んで何してたかと言うと、チョイとココの
「
「カムイー、出てきていいよー」
と、ドクトルさんが食堂入り口に声を掛けたら、1人の男が入ってきた。
頭にタオルを巻き、そこからはみ出てる髪の毛の色は、真ん中白、両端黒で、髪の毛は地面につきそうなほどの長さで、前髪から白と黒の髪の毛がピョコンと伸びてる。眼の色は、私から見て、右側が黒、左側が白だった。
腰にマントをつけており、服は黒と白が入り交じっており、ズボンも同じ感じだ。靴も片方黒で片方白だ。
そんな男が食堂に入ってきた。するといきなり…
「ヨ!ゴミ!」
「さっきぶりだな!ゴミくず!」
「何のようだ?まぬけ?」
と、デリーさんとソウマさん、サクラさんが一斉に罵詈雑言と言ったのだ!あの人、偉い人なんだよねぇ!?何でそんな言葉が出てくるんですか!?
「お前ら出てきていきなり罵詈雑言いうの止めてくんない!?」
「「「断る(ぞ、ネ!)」」」
「ネェ、俺神!偉いんだよ!?それとこのホテルのオーナー!」
「安心しろ、分かった上でやっているんだ」
「いや、安心できねーよ!?あと、わかってやってんならやめろや!」
「「「断る(ネ!)」」」
「みんなしてひどい!」
…どう突っ込んだらいいのかわからない。どうしよう。
しばらく、カムイという人(神?)はしばらくいじられた後、デリーさんからお茶漬けとやらを出してもらったそうだ。
「それでー…レイちゃん…だっけ?」
「はい」
「これから、この世界、このホテルについて説明するね」
「お願いします」
「まず、始めに…世界は1つだけじゃあない」
「…はい?」
「世界っつーのはな、たっくさんあるんだ。え~と…紙はっと…」
「ホラよ」
「あ、ありが…待って、俺がいったのはこの"髪"じゃなくて"紙"の方」
「冗談、ホラよ」
「だからって"神"を差し出すのもどうかと…」
「触ったら殺す」
「いや、怖いよ、サクラちゃん!」
「ホラ、紙」
「アァ、うん…チョイと待ってね、レイちゃん」
「はい」
ひとしきり、ふざけあってるのを見て、気持ちを和ませながら、カムイさんが紙に何か書いてるのを見ていた。
「…よし、できた」
そう言って、先程書いてたのを見せてきた。丸が多い。その丸の中に名前が書いてある。あ、私の世界の名前もある。ん?というか、初めて見る文字なのに何で分かったんだ?
「こんな感じでね、世界は無数に存在するんだ。あ、丸1つが1つの世界っていう感じね」
「はぁ…」
「んでー、今俺たちがいるところは、ここだ」
と、言いながら丁度真ん中にある丸に『
「
「そう、この世界はかなり特殊でね。世界の中心にあるからか、様々な世界の文化が色々混じってるんだ」
「例えば…?」
「さっき、トンカツ食べたでしょ?」
「はい」
「あれも、異世界…別の世界からやって来た料理の1つだ」
「あれが!?」
「そう、あれが。そしてそれは、数多ある料理の1つに過ぎないんだ」
「何と!」
「そうなの、…チョイと話を戻すね。そして、今俺たちがいるここは、『永遠なる世界』の更に中心地…『
「…スケールがデカイですね…」
「まぁね」
「ところで、"ホテル"というのは…?」
「んー…君で言うところの…宿屋を豪華にしたような場所かな?」
「ほぇー…」
「ココでは、君みたいに様々な世界から流れ着いた人々を癒すのが目的なんだ」
「え、私以外にもこの世界に来た人っているんですか!」
「うん、でもココで働きたいっていう人って今んとこ1人しかいないんだよねぇ…大体の人はお客さんとしてやって来る人が多いし…」
「そうなんですか…」
「うん、まぁ今でもこのホテルはやっていけてるし、まだまだ大丈夫だと思うけどね♪」
そうは言っても、カムイさんは無理をしているような顔をしていた。
「さて、本題はここから」
「へ?」
「君には2つの道がある。元いた世界に戻るか…こk「ここで働かせてください」いや、即答かい!?まだ全部言ってない!」
「元いた世界に戻るくらいならここで働きたいです」
「ほ、本当にいいの?今なら君に関しての記憶をすべて消すことが可能だけど…?」
その言葉に少し反応した。そうしたら、普通の生活を送れる…そう考えた。だが、私は…
「それでも、私はここで働きたいです‼お願いします‼」
ここで新しい生活を送りたい。"勇者"としてではなく、1人の従業員として…1人の普通の人間として。
「そう……分かった。いいよ、君を雇おう」
「!」
その言葉を聞いて、私はとてつもなく嬉しくなった。心の底から感動してきた。
「ただし!君には雑用をメインに仕事をさせる。色々忙しくなるけれど…それでも?」
「はい!忙しいのには慣れています‼」
「フフ、そうかい。それでは…」
そういうと、カムイさんは立ち上がり、いつの間にかカムイさんの後ろに、ドクトルさんたちがたっていて、揃って…
「「「「「ようこそ!ホテル"エリュシオン"へ!」」」」」
と、私を歓迎してくれた。だから私は…
「これからよろしくお願いします‼先輩!!」
と、元気よく挨拶をした。
「じゃあ、今日はもう遅いから、このホテルのメンバーの紹介はまた明日にしよう」
「そうだねー、正直もうげんか…グー」
「お、おい創真!寝るな!寝るのはベッドに入ってからだ!」
「アハハハ、相変わらず仲のいい夫婦アルネー♪」
「お熱いねー…」
「フフフフ、面白い人たちでいっぱいですね、このホテルは」
「まだまだ、このホテルのメンバーはかなり濃いぞー?」
「バッチコイです!」
「元気だねー♪」
「あ、ところで…」
「うん?」
「カムイさんって神…なんですよね?」
「…フフ、そう!我こそh「我こそは創造の化身!」「破壊の権現!」「戦いを勝利に導きし者!」「創破戦神ー…」「「「「カムイだー!」」」」ネェ俺のセリフとらないでくれないかなぁ!?」
「………」
「ホラ、ポカンとしてんじゃん!」
「「「「うるさい、駄神」」」」
「ヒドイ!」
…このホテルで頑張るためにはまず、この空気に慣れなくてはいけないな…、これはこれで楽しい人生を送ることが出来そうだ。明日が楽しみだ♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます