決起集会

「それで犯人は誰だったんです? 」

 凜ちゃんはそういって俺の顔を覗き込んでくる。

「うん、たぶん凜ちゃんも会ったことあると思うよ」

 俺は隣に居る凜ちゃんは俺の言葉を聞いて犯人が誰なのか考えている。


「もしかして田之倉君ですか? 」

 意外な人をあげたな…。

「もしそうだったのなら俺がシメてる」

 そういうと凜ちゃんは『そうですよね』と呟いて『ヒントはありますか? 』と尋ねるてくる。


「ヒントは犯人は男とは限らない。俺も調べていくにつれて分かったんだけどね♪ それと今回楓さんに囮になってもらったんだけど楓さんの体育の授業の前に更衣室を使ってるのは1年A組とB組の授業なんだよ… 」

 そういうと凜ちゃんはまた考え始る。

「相手からの接触を待つから答え合わせまで少し時間はかかると思うけど凜ちゃんには次があるかもしれないから警戒してもらう為にも教えておくね…。犯人は…」

 凜ちゃんは犯人の名前を聞いてとても驚いていた…。

◆◇◆◇

~1週間後~


「朱音君、犯人から連絡はあった? 」

 部室の扉を開けるとソファーに横になりながら楓さんが本を読んでいる。

「楓さん、お疲れですか? それと横になってると色々と見えそうなので普通に座ってもらえます? 」

 そういうと楓さんは笑って


「朱音君を信用してるので大丈夫です! 」

 そういってくれるのは嬉しいんだけど良いのかなそれで…。

「それより、私の下着姿を盗撮した犯人から連絡はありましたか? 」

 楓さんの声と同時に俺のスマホが鳴るので画面を確認すると、どうやら盗撮犯からのメールだ…。


「今、連絡が着ましたよ。見ます? 」

 そういって楓さんの隣に座ると楓さんはオロオロし始めた。

「どうしたの? 」

 不思議に思い彼女を見ると顔が赤い。

「顔、赤いけどもしかして風邪か? もしあれだったら俺だけで確認しておこうか? 」

 そう尋ねると楓さんはタメ息を1つ吐いて


「うん、大丈夫だよ…。朱音君も相変わらずだね…」

 うん、特に風邪とかはひいてないけど…?

「それでどんなメールですか? 」

 そういって身体を近づけてくるけど…。


「楓さん近い…、近いから」

 それになんだか花のいい香りがする。

「どうしたんですか顔を赤くして? 」

 何故楓さんはニヤニヤしながら話しかけてくるのだろう? 恥ずかしくないのか?


「そっ、そんなことはどうでもいいから! ほらメール! 」

 そういって俺はスマホを楓さんに見せる。

「なになに、内容は…。『早くお金を払え、さもないとお前の行った行為を匿名で生徒会に報告するぞ。5万だ! 忘れるな…』だってよ…。うわぁ~っ、自分で盗撮しておいてそれを密告するだってよ…」

 なるほど、相手も相当焦れてきてるな…。


「放置しますか…。匿名で生徒会に手紙がきても何も反応しないでください。そうすれば犯人が生徒会に直接来ると思うので…」

 そう伝えると楓さんは頷いて

「了解だよ♪ でもまさか女の子が犯人だったなんてね、かなり驚いたよ」

 そんなことを楓さんと話していると縁とリーシャが帰ってきた。


「おかえり2人共♪ どう? うまくいった?」

 そう尋ねると2人は親指を立てて

「バッチリだ(OKだよ)」

 と言って俺を見つめてくる。

「何をしていきたの? 」

 楓さんが不思議そうに俺達に尋ねてくる。


「目には目を歯には歯をですよ楓さん」

(そう、やられたらやり返す! 倍返しだ)

 今回のこの盗撮事件は女子生徒及び教師陣からも問題視されてるので俺達、生徒会(よろず部は生徒会の下部組織扱い)が解決すると先生達に伝えたら警察沙汰にしなければ多少の無茶は黙認すると言われている。


「あとは動機なんだよな…。コレは同じクラスのアイツらの報告待ちだからな…」

 俺の予想では遊ぶ金欲しさもしくは虐められて金を要求されて仕方なくのどちらかだと思うのだけど…。

◆◇◆◇

「分かりましたよ先輩! 」

 そういってやって来たのは田之倉だった。

「まさかお前の方が早いとは思わなかったぞ…」

 そういうと田之倉は

「いや、俺って女子の会話とかにもスルッと入れるんで噂話とかよく聞くんすよ♪ 今回はそれが役に立ったみたいっす! 」

 とドヤ顔で俺を見ていた。


「あぁ、うん分かってるから…今日の夕飯、忍も誘って3人で飯食いに行くか? 」

 そういうと田之倉はガッツポーズをして「うしっ! 浜岡と飯だ! 先輩! 援護射撃オネシャス! 」

 そう田之倉は忍が好きなのだ…。

「あぁ、うん…。分かったからそんなにはしゃぐな…。俺は美鈴にメールしておくか…」


 飯を食べてから帰ることをメールすると

『了解、誰と食事するの? 早く帰ってきてね♪ 分かってると思うけど相手が女の子だったら許さないからね♪ 』

 俺が誰と食事をしようが関係ないような気もするが美鈴を不安にさせるわけにもいかないし…。

『田之倉と忍だよ…。田之倉が忍のこと好きだから俺がキューピット役に…』

 そう返信すると美鈴から返信がすぐに着た。


『おにぃがキューピット役に…。無理でしょ…。だっておにぃが鈍感なのに…。でも了解です。遅くならないでね♪ 』

 美鈴からお許しが出たので俺は田之倉と一緒に忍を迎えに行くことにした。


「まさか先を越されるとは…次は負けないからね! 」

 忍を迎いに行くと田之倉が動機を突き止めたことに忍は対抗意識を燃やしていた。

「それより忍も一緒に夕飯食いに行こうぜ俺がお礼も含めて奢るから」

 そういうと忍は嬉しそうに頷いて

「肉、焼き肉にしましょう! 」


 そんなこんなで俺達は焼き肉を食べに行くことになった。

「お肉お肉~! 」

「俺が焼くから浜岡は食べていいっすよ♪ 」

 早速好感度を上げるために田之倉は自ら肉を焼く係りをする。


「ありがと~田之倉! ねえねえ先輩、どうして犯人が楠木くすのきさんだって分かったんですか? 彼女は僕たちのクラスでも地味目でそんなことをするような子じゃないのに…」

 忍はそういいながらタン塩を頬張る。

「動機は田之倉が調べてくれたから田之倉から忍に説明してやって」


 田之倉に話を振ると理由を説明し始める。

「なるほど、そんなことがあったんだね…。やるじゃん田之倉! 先輩、動機も分かったし、いつ決着をつけるんですか? 」

 そういって忍はカルビを頬張りながら俺に尋ねてくる。

「明日あたり相手側が動くと思うから答え合わせはその時かな? 相手側が動き次第俺達も動くから、その時は2人もよろしく頼むよ」


 そういって俺達は焼き肉を食べて明日に備えて対策を話し合った。


 

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