予想通りの答えだったよワトソン君
カメラを仕掛けて経過を観察していた縁とリーシャがいうには男の姿は見なかったという…。だけどね、今回の犯人は男だってことは誰1人いってないじゃないか女子の下着姿を盗撮して売ってるんだから男がやったに違いない! そう思わせるのが相手の作戦だったら…? つまりはそういうことだ…。
「み~つけた♪ あとはどうやってとっちめるか…」
あやしい奴が居たと聞いて楓さんに許可を得て縁やリーシャと一緒にあやしい奴の画像を見ていたら案の定だった…。
「さて、とりあえず生徒会に報告に行くか?」
そういって俺達3人は生徒会室にノートパソコンを持参で訪ねることにした。
「犯人らしき人見つかったよ! 」
そういってパソコンの画像を3人に見せる。
「この人が犯人なの? 私、撮影されてないよね? 大丈夫だよね? 」
「本当ですか! 私中学一緒にでしたよ! そんなことするようには見えない大人しい子だったはずなのに…」
「雪ちゃん知り合い?ってことは私達と同じ1年生なの? 」
3人とも画像の犯人に驚いている(1名は自分の心配…)
「あっ、メールだ…」
スマホにメールの着信があったので内容を確認すると…。
「楓さん、ご愁傷様です。ばっちし撮られてたみたいです」
メールにはこんなことが書かれていた。
『メール』
会長の下着姿をばっちし撮影した。SDカードに保存したのを下駄箱に入れておくからあとで確認をしておいてくれ! 金の受け渡しは南館の昇降口にある掃除用具のロッカーに5万入った封筒を入れておけ…。
「とまぁ、こんなメールですね…」
そういって俺は楓さんにスマホを見せると
「絶対に中身を見ないでくださいよ! うぅっ、恥ずかしい」
そういって楓さんは顔を真っ赤にさせていた。
◆◇◆◇
下駄箱を確認すると確かに白い無地の封筒に入ったSDカードがあった。
「あった…」
そういって縁とリーシャに封筒を渡す。
「そうだよね、見るとか言ったらどうしようかと思ったよ♪ 」
そういって縁が封筒を受け取る。
「いや、さすがに見ないって」
呆れつつツッコミを入れるとリーシャが疑いの目で俺を見つめてくる。
「えっ、何その疑いの目は…。もしかして見るような下衆い奴だと思われてたの? 」
そう尋ねるとリーシャは少し考えて
「だって、わざわざ楓さんを指名したんだもんそれなりの下心があるんじゃないかって疑うよね…」
「いやいやいや! きちんと説明したじゃん! 楓さんに囮を依頼したのは調査だってことをバレない様にするためで下心は無いって! 」
必死に弁明をするが俺の疑いが晴れそうにないのでとりあえず生徒会室に戻ることにした。
「それで今からクラスに乗り込むんですか?」
雪ちゃんがシャドーボクシングの構えで『シュッ、シュッ』と動いている…。
なんでこの子はこんなにも好戦的なのだろう?
「いや、俺はお金を払わないで滞納する。それで俺に接触するのを待つ。そうすれば言い逃れは出来ないからね♪ 」
そう雪ちゃんに説明してる間も楓さんは自分が撮られていたSDカードの動画を再生させて確認をしている。
「うわぁっ、楓また大きくなったんじゃないか? 」
そういって縁が画面と楓さんの胸を見比べている。
「うっ、うるさい! そういうのは気にしないでいいの! 」
そういって楓さんは胸を隠す。
「Fですね…」
「うん、たぶんFだね…」
美鈴とリーシャは画面を見て何か呟いていた。
「朱音君! 縁ちゃんがいじめるよぉ~! 」
そういって楓さんが抱きついてくる。
「ちょっ、楓さん! それに縁もストップ! ストッ~プ! 」
そういって2人を仲裁すると
「やっぱり大きい方が良いのかい朱音? 」
と言って縁は自分の胸を見つめる。
「なに言ってるの2人とも大きいじゃん! 小さいっていうのは私や雪みたいのを言うんだよ! おにぃは小さくて慎ましやかな方が良いよね♪ ねっ? 」
美鈴がそういって身体を密着させてくる。
「そんなことないよな? 朱音は私のこと好きだよな? 」
縁も身体を密着させてくる。
「なにベッタリしてるんですか! 朱音は私のです! 」
普段はリーシャが止める役なのにどうして今回はみんなと一緒になって身体を密着させてくるんだよ!
「いや、あの…うわぁ~っ!!! 」
俺は全員を振りほどき、生徒会室から逃げ出した!
◆◇◆◇
何とか追っ手を撒いて俺は1人になれる体育館脇にやって来た。
「ふぅ~っ、何とか逃げられた…。まったくみんなして何を気にしてるんだろう? 胸というか見た目も確かに大切だけどそれより性格とか中身の方が大切じゃん」
そう呟きながら体育館の裏に廻ろうとすると1人の女の子が数人の女の子に囲まれていた…。どうやらイジメの様だ…。
「ちょっとぉ~、少し見た目が良くて乳が大きいからって私の田之倉君に手出すとかマジで止めて欲しいんだけど💢」
ちょっと待て! 囲まれてるのよく見れば凜ちゃんじゃん!
「いや、あの…。別にそんなつもりは…」
「じゃあ何であんなに喋ってるのよ! 」
「だからそれは…」
これ以上は見てられないなぁ~
「あっ、凜ちゃん♪ 探したよ田之倉に昇降口で待ってるって伝えとけって言ったのに行ってみると凜ちゃん居ないんだもん…。あれ? 誰君たち? 凜ちゃんに何か用事? 」
そういうと周りの女の子達は俺を睨みつけてくる。
「そういうお前こそ誰だよ? 」
いつの間にか女の子達は俺を取り囲んでいる。
「2年の東雲朱音だよ? そこに居る凜ちゃんの彼氏。田之倉がどうの言ってたけど俺アイツの先輩だからこれ以上何か凜ちゃんに用事があるんだったらアイツを呼んでお前達のこと伝えるからな? 俺の彼女に何かしたら只じゃおかないからな♪ 」
そういってニッコリ笑って凜ちゃんに歩み寄り手を取ってその場から離れる。
「良いんですか? 彼女達、絶対噂流しますよ…」
そういって凜ちゃんは俺を見つめてくる。
「別に問題ないよ? 逆に凜ちゃんみたいな可愛い子と噂になって嬉しいよ♪ 本当に付き合う? 」
そういうと凜ちゃんは頬を膨らまして
『先輩は鈍感です! 』と微笑んで俺の脇を小突いたあと腕に抱きついてきた。
「犯人分かったんですね? 」
「予想通りの答えだったよワトソン君」
「先輩がホームズですか? 先輩はレストレード警部じゃないんですか? 」
そういってお互いクスクスと笑いあった。
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