囮捜査
「さてと、君が盗撮映像を買ったっていう人は…」
俺の視線の先には眼鏡をかけて根暗そうな男子生徒が居た。
「デュフフッ! そうでゲス! 僕が凛ちゃん親衛隊のリーダー鈴木だ! デュフッ! 」
うわぁ~っ、何か怪しい奴キタァー!
「いや、そういうのはいいからソレを何処でどういう風に入手したのか簡潔に教えてくれないかな? 」
そういって鈴木デュフッ! を見ると彼は俺のことを白い目で見つめていた。
「なんだよその目は💢 」
そういうと鈴木デュフッ! は俺を見つめながら
「先輩、いくら欲求不満だからって女の子の下着姿を見て興奮するのはどうかと思いますぞ! デュフフッ! 」
「齋藤さんの下着姿の映像を見て興奮してるお前らだけには言われたくないわ💢 」
そういうと鈴木デュフッ! は俺に1枚の名刺を渡してきた。
「これが神のアドレスだ! デュフフッ!確か先輩は凛ちゃんと仲が良かったと認識している。今回僕が先輩に手を貸す代わりに凛ちゃんの唾液を所望する! じゃないと…」
うるさい奴だな? 自分の立場が分かってないのか?
「OK、お前らの存在を凛ちゃんに報告したあと生徒会へ通報するぜ! 手を貸さなきゃな…」
うん、脅迫だなコレ…。まっ、相手が変人だし仕方ないか…。
「で、どうする? 」
彼に尋ねると
「デュフッ! デュフフフフフフッ…。すいませんでした! 」
そういって名刺を差し出してきた。
「分かれば宜しい! 」
そういって名刺を受け取ると同時に楓さんと雪ちゃん、それに美鈴がやって来た。
「もぅ~っ! 朱音くん! 捜査をお願いしたけど『購入者捕まえるから来て』ってだけのメールじゃ何処に行けばいいか分からないからね! もっと詳しく書いて! 」
そういって楓さんがブツブツ文句を言っている。
「おとなしくお縄についてください! 」
「御用だ御用だ! 」
雪ちゃんが鈴木デュフッ! の腕の関節をきめて美鈴が持ってきたビニール紐で逃げられないように縛っていく。
「はっ、話が違うじゃないか! 」
「いや合ってるよ、だって俺は前もって連絡をしていたのであって今連絡をしたわけじゃないだろ? 」
そういって憐れみの目で鈴木デュフッ! を見つめると
「そんなのは詭弁だ! 嘘つき野郎! 男の敵! 夜道に気をつけろよ! 」
そういってスマホを離さないでいる。
「それにも動画が入ってるんだっけ? よこせって! 」
そういって取りあげたスマホを起動させるとロックが掛かっていた。
「暗証番号を教えるのと警察署行くのどっちがいい? 俺は大切な仲間のためなら多少の拷問もやむを得ないと思ってるんだけど…」
そういってラジオペンチを持ち出す。
「ふん、どうせ脅しだろ? やれるならやってみろ! 」
そういっているので…。
「了解! じゃあ右手の親指からいこうか!」
ラジオペンチを鈴木デュフッ! の親指付近まで持っていく。
「本当に良いんだよね? 痛いと思うけど失神なんかしないでね♪ 」
そういって爪をラジオペンチで挟むと泣きながら暗証番号を話始めた。
「僕の誕生日の0212です! だからやめてください! 」
暗証番号を打ち込むとロックを解錠することが出来た。
フォルダの中には凛ちゃんの他にも数人の着替え動画が入っていた。
「スマホを初期化! 」
俺は取りあげたスマホを出荷状態に戻した。
「ほい、コレでOKだね? あとコレで警察署に行ってもデータが無いから捕まらないね♪ やったじゃん! ただまた次、買ったりしてたら警察署だからね♪ 」
そういって微笑みかけると彼は泣きながら頷いていた。
とりあえず雪ちゃんと美鈴に彼を職員室に連行してもらい俺と楓さんでどうするか一緒に考え始める。
◆◇◆◇
「とりあえず依頼をして誘き出そうと思うんですよ…」
問題は誰をターゲットにするかが問題だ…。縁やリーシャだったら同じよろず部だから盗撮犯を捕まえようとしてることがバレる可能性もある。次に美鈴は義理の兄妹ということがバレてるからこれも疑われる。雪ちゃんにお願いするのは何かロリコンに思われてるみたいで何か嫌だ…。決して雪ちゃんが幼児体型だっ! なんて思ってないですよ、決して…。
「残る選択肢は1つしか無いか…。楓さん、囮になってください! 」
楓さんに頭を下げてお願いをする。
「えっ、えぇっ!! 私! あっ、ああ朱音くん私の下着姿を見たいの! 」
違うから! 囮捜査だから!
「いやいやいや! そういう意味じゃないから消去法だから! 邪な気持ちは一切無いから! 」
そう伝えると楓さんは頬を膨らませて俺のことをじっと見つめて諦めた様なため息を1つ吐いて
「分かった、私が囮になればいいんだね? 縁やリーシャちゃんに伝えておいてくれる?」
囮も決まったので俺は盗撮犯のアドレスにメールをする。
『内容』
生徒会長の弱味を握るために彼女の下着姿もしくは際どい動画が欲しいです。金は言い値で用意するのでなるべく際どいのをお願いします。
「ちょっと朱音くん! 際どい動画をお願いしますってどういうこと!? やっぱり朱音くん私のこと…」
そういって楓さんは胸を隠す様に身体を抱き寄せる。
「いや、別に興味ないですよ? ただ際どい動画を撮るためにこの盗撮犯は準備をしっかりしなくちゃいけない…。だから縁達が仕掛けてる隠しカメラに映る可能性があがるんですよ♪ 」
そういってククッと笑っていると楓さんが少し驚いた顔で
「朱音くん、顔が悪い顔になってるよ…」
そういわれたので鏡を見ると
「本当だ悪い顔になってる…。でもこれで作戦は決まったね♪ あとは獲物がかかるのを待つだけだ…」
帰ってきた美鈴と雪ちゃんに囮捜査を説明したら2人にどうして自分じゃないのかと怒られた…。何故だろう?
とりあえず中間報告をしによろず部の部室に顔を出すことにした。
「というわけだから2人ともよろしくね♪ 」
2人に伝えると2人は胸を張って
「「任せてくれ! 絶対にバレないところに仕掛けたから私たちのカメラで犯人を映し出してみせる! 」」
さてと包囲網は完成した、絶対に逃がさないからな!
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