第2章 謎解きはランチのあとで…。

 依頼を片付けよう

 リーシャのお弁当をクラスの皆にジロジロ見られながら何とか食べきったけど、とっても恥ずかしかった。

~3日後~

「さて朱音、今日は依頼が3件きているぞ!」

 そういって縁が依頼書を3通持ってやってきた。

「なんて書かれてるの? 」


 依頼内容を尋ねると縁は首を振って

「まだ見てない! だからちょうど部員3人だし1人1つ依頼書を引いてそれを解決するってことでどうだ? 」

 そういって縁が俺とリーシャの前に依頼書を差し出してくる。

「分かった、じゃあ俺はコレをやるぜ! 」


 そういって依頼書を引く。

「う~んっ、分かったよ! そういうことなら私はコレ! 」

 リーシャも依頼書を1通引く。

「じゃあ私は必然的にコレだね」



 そしてそれぞれの依頼書に目を通す。

『依頼書』

 女子更衣室での着替えの映像が隠し撮りされていて男子の間で配信されているそうです! なので撮影した人と隠し撮りしているカメラを探し出して法的措置をお願いします! ちなみに隠し撮りの位置は毎回変わるみたいです。


 おぅっ、何だか面倒な依頼書を選んでしまったみたいだ…。

「縁達は…」

「なんなんだコレ! まったくナメてるのか! 」

「コレは依頼書と認めない! ふざけすぎ!」

 そういって2人は依頼書をビリビリに破いてゴミ箱に捨てる。


「何が書いてあったんだ? 」

 不思議そうに2人に尋ねると

「下着の色」

「スリーサイズ」

 そういって怒っていた。


「それで朱音の依頼は何だったんだい? 」

 不思議そうに縁が俺に尋ねてくる。

「いや、俺の依頼は…」

 そういって俺は2人に依頼内容の説明をした。

◆◇◆◇

「なるほど、盗撮犯を捕まえて鉄拳制裁をってことだな? 」

 そういって縁がファイティングポーズを取っている。

「そんな不埒な人は成敗です!」

 リーシャも腕組みして怒ってるよ…。


「いや、痛い目にあわせてやろうってのは良いと思うんだけど方法を考えなくちゃ…。何か良い案ある? 」

 2人に尋ねると縁は手をあげて

「コッチも監視カメラをつけるのはどうかな? 」

 う~んっ、確かに監視カメラをつけるのも1つの手だとは思うんだけど…。


「楓さん達にも相談してみよう」

 そういって俺達は生徒会室に向かうことにした。

◆◇◆◇

「失礼します! 楓さんに用事があるんだけど良いかな? 」

 そういって生徒会室に入ると何だか生徒会室が慌ただしかった…。

「何かあったの? 」

 近くに居た雪ちゃんに話を聞くと


「盗撮魔が女子更衣室の着替え映像を男子生徒達に売っているみたいなんです。それの対応に追われてて…」

 そういって持っていた書類を美鈴に渡す。

「ありがとう雪! あれ? おにぃ! 会いに来てくれたの? おにぃ大好き♥ 」

 美鈴が抱きつこうとやって来るが

「はいはい、そういうのは仕事が終わってからね! 」


 そういって雪ちゃんは席を立とうとした美鈴の肩を押さえて席に着かせる。

「あうぅ~っ…」

 雪ちゃんに肩を押さえられた美鈴は残念そうに書類の確認を始める。

「雪ちゃん達にもその情報はきていたんだね? 実は俺達のところにもその盗撮魔を捕まえてほしいって依頼がきてて協力して盗撮魔を捕まえましょう! 」

 

 椅子に座る楓さんにそう伝えると楓さんは困った顔で俺達を見つめてくる。

「協力したいんだけど今は協力が出来る様な状況じゃないんだよ…」

 そういって楓さんは机の上に置いてある書類を指差す。

「なるほど、事務処理が多くて盗撮魔を捜索するのに手を貸すことは出来ないってことか? 」


 縁が書類に目を通している楓さんにそう声をかけると楓さんは頷いて

「うん、実はそうなんだよ縁…。だから私達はここから動けそうにないから縁達よろず部に任せるね! フォロー出来る範囲のことはフォローするから盗撮魔を捕まえて! ゴメン! 任せた! 」


 そんなこんなで俺達よろず部は盗撮犯を捕まえることになった…。

◆◇◆◇

「さてと、どうするか…」

 いちおう生徒会からの依頼としてある程度のことは大丈夫だろう…。

「さっきも言ったけど監視カメラをつけて誰が犯人か突き止めようよ! 」

 確かにそうするのも1つの手なんだけど

「監視カメラを置いたら盗撮犯は動きづらくなって尻尾を出さないと思う、だから向こうが隠しカメラならこっちも隠しカメラで対抗しよう! さすがにその隠しカメラの内容は男の俺は見れないからそっちは2人でやってくれ! 俺は実際にその動画を買った生徒に接触して、その販売主に接触してみる。だから今回は別行動である程度情報が纏まったら話し合おう」

 そういって俺は2人とは別行動をすることにした。

◆◇◆◇

 動画を買った生徒に接触してみるとは言ってみたはものの買った奴は俺の身近な奴には居なかったな…。

 そう思いながら次は1年の後輩に話を聞こうと思い南館にやって来た。

「あれ? 先輩どうしたんですか? あっ、齋藤ですか? 呼んできますね! 」

 俺はいつのまにか1年A組に来ていたらしい…。


「なっ、なんですか? 先輩の方から来るなんて珍しいですね…(アワアワ)」

 田之倉、今日は凛ちゃんじゃなくてお前に用事があったのに…。

「凛ちゃんは盗撮の話知ってる? 」

 とりあえず注意喚起のために話しておこう…。


 凛ちゃんは苦虫を潰した様な顔をして

「私が最初の被害者かもしれないです…」

 といってきた。

「マジで!? 」

「マジです…」

 知り合いが被害に遭っていたなんて…。増々この盗撮魔を許すわけにはいかなくなった…。


「ちょっとその依頼がきて捕まえるために情報が欲しいから少し撮られた時の状況を何でもいいから覚えてる範囲で良いから教えてくれるかな? 出来れば2人きりで…」

 そういって凛ちゃんの手を握って凛ちゃんを見つめると彼女は顔を真っ赤にさせて頷いてくれた。

「それじゃあ放課後にこのあいだお弁当を食べた場所に来てください」


 被害者からの話はこれでOK! あとは購入者からの話が聞きたい…。

「それじゃあ先輩、失礼します! 」

 凛ちゃんは教室に戻ろうとするので

「凛ちゃん、田之倉呼んでくれる? 」

 田之倉にも話を聞くことにする。

◆◇◆◇

「あぁ~っ!! それなら知ってますよ! 確か動画を買ったって言ってた男知ってますよ! 話つけときましょうか? 」

 話してみるもんだな…。

「あぁ、悪い! よろしく頼む! あとで肉まん奢ってやる! 」

「先輩、牛乳もよろしくッス! 」

 次は購入者から販売主の特定だな…。

「分かったよ! 牛乳も奢ってやるよサンキューな! 」


「じゃっ、詳細が決まったら俺から連絡します! 」

 とりあえず今日は凛ちゃんの話を聞こう。

 

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