生徒会とレクリエーション
お昼ご飯を何とか時間内に食べ終わり午後の授業も滞りなく終わる。授業中ペアを組む作業があったがリーシャと組んで無事作業も終わった。
◆◇◆◇
「ねぇ朱音、今日一緒に帰れないかな? 」
リーシャが尋ねてくるので
「ごめん、このあと部活で生徒会と一緒に林間学校のレクリエーションを決めなくちゃだから帰るの遅くなっちゃうからまた今度でいい? 」
そうリーシャに伝えて教室のドアを開けると
「朱音、遅い! 早く行くぞ! 」
縁が扉の前で待っていた。
「分かった、じゃあなリーシャ! 道に迷ったらすぐに電話しろよ! 」
そういって俺は縁のあとを追って生徒会室にやって来た。
「失礼しま~!!…」
「やっほ~、おにぃ! 」
扉を開けると同時に美鈴タックルをしてきたぁ"~!
「ぐぼぉっ! ちょっ、ちょっと美鈴…、肘が脇腹にめり込んでるから…」
そういって美鈴を見ると
「おにぃが橘先輩とイチャイチャしてるから悪いんだよ♪ 」
目が、目が笑ってないから美鈴…。
「どっ、どうして美鈴君が
そう、まさしくそれを聞きたかった。
「あぁ、それなら私の方から説明するわね」
楓さんが奥からやって来た。
「とりあえず、中に入ってよ♪ おにぃ」
腕を美鈴にひっぱられながら俺は生徒会室に入っていく。
「ちょっと、待つんだ美鈴君! 」
そういって俺と美鈴のあとを追って縁も生徒会室に入る。
「楓さん、どうして美鈴が生徒会に居るの? コイツは陸上部じゃなかったっけ? 」
隣で縁と睨み合っている美鈴をスルーして楓さんに話を聞く。
「うん、兼部ってことになるのかな? もともと美鈴ちゃんには生徒会のオファーをしていたんだけど今朝、急に『私、生徒会に入ります』って私を訪ねてきて…。だからお願いしちゃった♪ しかも驚いたことに美鈴ちゃんって朱音君の義理の妹さんみたいじゃん! 本当に驚いたんだから♪ 」
そういって紅茶をカップに注ぎながら後ろの2人を見て笑っている。
(この人は美鈴と縁が仲があまり良くないのを知ってて、こんなことをやったのではないか…)
疑惑の目で見つめると楓さんは
「やだなぁ~、そんなこと知らなかったんだよ! 偶然だよ偶然♪ 」
そういって楓さんは微笑んでいたけど…。
「どうして俺が言おうとしたことが分かったの? 」
疑問に思い楓さんに聞くと
「どうしてかなぁ~? 何となくだよ何となく…」
そんなことを楓さんと楽しそうに話していると
「「2人して何楽しそうにしてるの! 」」
そういって2人は楓さんを睨んでいる。しかしその中、空気の読めない人がスキップをしながら生徒会室の前で立ち止まり扉を開ける。
「みんなぁ~、おっ待たせ! 」
何があったんだ…。
加藤先生が満面の笑みを浮かべて教室のドアを開けて入ってきた。
「先生、どうでしたか? 兄から聞いた話だとモテモテだったらしいじゃないですか!」
楓さんがそういうと加藤先生は顔を真っ赤にして
「やだなぁ~、そんなことないわよ♪ 楓ちゃんの紹介があったからだよ♪ 」
そういって嬉しそうにニコニコしている。
「先生、このあと用事があるから早く会議を終わりにしましょう♪ 」
「先生、どんな用事ですか? 」
恐れを知らぬ美鈴が先生に質問をする。
「デートよ、デート♪ 」
そういって加藤先生は鼻歌を唄っている。
楓さんと加藤先生の話を聞く限り、どうやらこのあいだの裏取引で行った、大学生との合コンで上手くいったのだろう…。
「それじゃあ、先生も用事があるみたいですし早く決めちゃいましょう♪ 2人は何かレクリエーションを考えてきた? 」
楓さん、早速丸投げですか…。
「私と朱音で考えてきたのだけどフォークダンスとか、ありきたりなレクリエーションでもいいのかな? 」
縁が楓さんに聞くと楓さんは頷いて
「うん、そういうありきたりな方がいいなぁ、たぶんみんな分かると思うし、だからフォークダンス良いと思う! あと2、3個案を出して! 」
楓さんがメモを取りながら周りを見渡す。
「それじゃあ私から! 」
そういって美鈴が手を挙げて意見を言う。
「私は肝試しが良いと思います! 共学になって男の子と女の子が急接近するイベントがあっても良いと思います! 」
美鈴が目を輝かせている。
「う~ん、私も美鈴君の意見には賛成かな♪ このあいだの慶次君と岩清水さんの関係を進展させるためにも良いと思うな♪ (私は朱音とペアを組んで仲を進展するんだ♪ )」
おっと、縁が賛成してるぞ…。しかも何故かニヤけてる…。
「うん、私も賛成! 恋せよ乙女! って感じかな? えっ、私!? 私は
あぁ~、
「あと1つどうしよう? 」
楓さん、あの先生を放置してていいんですか? 何か恥ずかしそうに身体をクネクネさせて気味が悪…。
「セイッ! 」
おいぃ~っ、庶務の女の子が加藤先生の鳩尾を殴って前屈みになったところを首に手刀で気絶させたぞ…。
「話が進まないのでちょっと黙っててもらいます! 」
良いのかそれでぇ~!!
「あっ、うん♪ ありがとう♪
楓さん、あっさり了承したよ…。
「さすがに加藤先生をこのままにするわけには、いかないから俺が保健室まで連れていくからそのあいだに決めておいてくれ」
さすがに加藤先生が可哀想だと思い、保健室に連れていくことにした。
◆◇◆◇
「まったく、やり過ぎだろ…。加藤先生、気絶しちゃったじゃん…。ってか加藤先生軽っ! 」
加藤先生を背負いながら保健室に向かっているが加藤先生は予想以上に軽く、少し驚いている。
「うっ?、うぅ~ん…」
技が浅かったのか背中で加藤先生が唸る声が聞こえる。
「起きましたか? 」
背中に声をかけると
「博人さん? 大好き! これ以上待ってたら30歳になっちゃう! だから早く既成事実を作っちゃいましょ♪ 大丈夫、私も初めてだから! 」
寝ぼけているのか俺の後頭部にキスをして舌をチロチロ動かしている。
「ちょっ、先生! くすぐったいから! 」
そういって背中を揺すると
「ふぉぇ? もうシタイの? うん、いいよ♪ 私ももう限界だから…」
この色ボケ教師が!
「俺の方が限界だ、ボケぇ~!! 」
背中を思いっきり揺すると
「ふぉぇっ?……きゃっ、きゃぁ~!! 」
どうやら起きたらしい…。良かった…。
「あっ、あれ? ここどこ? あれ? 私、生徒会室に居たはずなのに…ってイタタタタタッ…。どうしたんだっけ? 」
「はぁ、やっと起きたみたいですね♪ 先生、転んで頭を机にぶつけて気絶しちゃったんですよ♪ だから俺が保健室まで先生を連れていくことになりました。なので俺の背中に乗ってにいてください」
そういうと加藤先生はどういう状況か分かったのか
「うっ、うん…。ありがとう朱音君…(朱音君の背中って温かくて意外とガッシリしてるんだなぁ~、それなのに優しいだなんて…。ダメっ! 彼は生徒で私は先生なんだから! そんなことを考えちゃ)」
保健室に先生を連れて行くあいだ、先生は首をやたらと左右に振っていた。
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