賑やかな日曜日
ルールは主に3つ! 1つ目は洗濯、掃除、炊事を当番制で行うこと! 2つ目は部屋には勝手に入らないこと! 3つ目は買い出しには3人で行くこと! それが美鈴の3つのルールだった。他にも色々あったけど却下した。
「むぅぅぅ~! 何でこんなに却下されるの! やっぱりおにぃは橘先輩のことが好きなの? 」
そういって美鈴は頬を膨らまして俺を見つめてくる。
「いや、そんなことは無いけど他の条件が論外だったからだろ…。息をしないとか俺と顔を合わせないとか無理だろ…」
そういうと美鈴は不貞腐れながら
「無理でもやってもらわなくちゃ困るの! おにぃは気づいてないかもしれないけど、おにぃはかなりモテるんだから! (私がおにぃのお嫁さんになるんだから)だからおにぃの近くに私以外の女性が近づいちゃダメなの! 」
どんだけ横暴なんだよ…。俺がモテる? 冗談はやめろよ…。身内贔屓はやめろ、悲しくなるから…。
「いやいや、モテないから! さっきだって縁に抱きついたけど別に何ともなかつたでしょ? さっきのが真実だって、だから大丈夫だよ」
そういって縁を見ると縁は頷いて
「いきなりで驚いたけど特に何も思わなかったぞ! (いきなりだったから何もできなかったんだよ! 本当は抱きつきたかったけど…)」
最後のほうはボソボソ言っていたから分からなかったけど大丈夫だと言っている。
「ほら、縁もこう言ってるし大丈夫なの! 俺はモテないの! これ以上まだ何か言うんだったら義父さんに話してアパート借りてそこに住むよ! 」
そういってスマホを取りだし電話をかけようとすると
「分かった! 分かったから止めておにぃ!」
そういって美鈴は不貞腐れながらも縁がウチに住むことを許してくれた。
◆◇◆◇
「朱音、部屋の片づけを手伝ってくれ♪ 」
そういって俺の手を握る縁を見て美鈴が
「なに手を握ってるの! ダメ! ダメったらダメ~! 」
そういって美鈴は俺と縁のあいだに割って入ってきて
「さっきも言ったけど、おにぃは私のなの! だから橘先輩はそんなにベタベタしないで」
そういって美鈴は縁を見て頬を膨らまして怒っている。
そんな美鈴を見て縁は反対側に回り込んで俺の腕に抱きついてくる。
「朱音は良いって言ってくれたぞ! 朱音の気持ちを無視して自分の
そういって縁が美鈴に抗議すると美鈴は
「そんなことおにぃは言ってないもん! おにぃは私と一緒の方が良いはずだもん! 」
そういって俺の腕を胸元に引き寄せる。
「2人とも、とりあえず落ち着いて! まずは夕飯を食べようよ…」
そういって俺は部屋から出て1階のリビングに移動する。
その時も両腕には女の子の柔らかい感触がしていた。
「なぁ、そういえば縁。林間学校のレクリエーション何か考えたか? 」
夕飯を食べ終わり縁の部屋の片づけも一段落ついてリビングでのんびりしながら右隣に座っている縁に声をかけると
「おにぃ、林間学校の実行委員になったの?」
左隣に居る美鈴が俺の手を握りながら見つめてくる。
「いや、実行委員になってはいないけど生徒会からよろず部に依頼がきてて俺と縁がその依頼を解決するために生徒会を手助けしてるんだよ」
そういって説明をすると美鈴は頬を膨らまして
「ズルい…。(そっちがその気なら私だって!)」
美鈴は何かを決意した眼差しで縁を見つめていた。
「そうだねぇ、私も余りよく分からないからなぁ…。週明けにでも楓に相談してみるか…」
とりあえず方針としては週明けに楓さんに相談することで話しは纏まったので少し早いけど寝ることにした。
◆◇◆◇
朝、目を覚ますと隣には下着姿の美鈴と縁が眠っていた…。
何がどうしてこうなったんだ…?
部屋を見渡すと開いたベランダ、鍵を閉めたのに開いてるドアと鍵を持っている美鈴。
なんとなく分かったがベランダから侵入してきたのが縁。ドアの鍵を開けて侵入してきたのが美鈴だろう。
「まったくコイツらは…」
服がはだけていたので整えタオルケットをかけて部屋を出る。
「さて、朝食の準備を始めるか! 」
そういって卵やハムを手際よく調理していく。
「今日の朝ごはんはポーチドエッグとハムチーズマフィンそれとレタスとクルトンのシーザーサラダ」
そういって俺はお皿に盛りつけを始める。
「おはよう朱音、まったく(キスの1つでもしてくるかなぁ~って)期待して待っていたのにそのまんま部屋を出て行っちゃうなんて…」
そういって不貞腐れてしまっているが俺は何かいけないことをしてしまったのだろうか?
「おにぃ、おはよ~」
美鈴が顔を擦りながら2階から降りてくる。
「日曜で部活も無いからって相変わらずだな…」
そういうと美鈴はマフィンを食べながら
「おにぃこそ、いつもしっかりしてて疲れない? ONとOFFは使い分けた方が良いと思うよ♪ それよりおにぃ、今日の予定は何かある? 」
そう聞かれたので特に予定が無いことを伝えると
「それなら朱音、私の買い物を手伝ってくれないかな? 」
朝ごはんを食べ終わり食器を片づけていた縁がそういって俺を見つめてくるので了承すると向かいに座る美鈴に思いっきり蹴られてしまう。
「ちょっ、美鈴痛いんだけど俺なにかした?」
美鈴に聞くと美鈴は頬を膨らまして
「鈍感おにぃのバカ! おにぃだけだと心配だから私も一緒に行くから! 良いよね橘先輩? 」
そんなこんなで3人で買い物に行くことになった。
◆◇◆◇
「なぁ、ちなみに何を買いに行くんだ? 」
縁に何を買いに行くのか尋ねると縁は美鈴の耳元で何か伝えたあと美鈴と縁は
「「女の子の秘密です! 」」
そういってニコニコ笑っていた。
この2人って仲悪かったよな?
「うぅ~ん、まぁいいや着いたら分かるんだよな? 」
そういって先を行く、縁と美鈴のあとを追っていくと…。
「なるほど、服屋か(しかもブティックか…)」
俺が店の前で入るのを躊躇っていると
「ほらおにぃ、行くよ! 」
俺は美鈴に腕を引っ張られ店の中に入っていく。
「今日は朱音に私たちの服を選んでもらおうじゃないか! なぁ美鈴君♪ 」
「そうだね! おにぃに可愛い服を選んでもらうんだ♪ 」
仲の悪い2人でも目的が一緒だと手を組んで俺を困らせてくる。
「それと朱音には私達の下着も選んでもらおっか♪ 」
「ちょっ、それはダメ! マジで洒落にならないから! ちょっ、美鈴! 引っ張るな! 本当に無理だから~!! 」
俺は美鈴と縁に連行されブティックへ入っていくのだった…。
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