第7話 悪い癖
舞には一つ悪い癖がある。それは気に入ったものを、勝手に自分のポケットに入れてしまうということだ。
次の日の朝も、彼女は僕の上着から買ったばかりのガムをそのまま自分の上着のポケットの中に放り込んでいた。彼女に言わせてみればそれは無意識なことのようで、一度僕が怒った際はボロボロと涙をこぼした。それ以来、たとえ見つけても怒ることができないでいた。
「学校に行ってくる」とベッドの中の僕に向かって舞は言う。
「いってらっしゃい」
彼女が部屋を出て行って、僕は一つため息をつく。
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